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ドラえもん 子犬イチの国 キボウ編

2010/10/29 わさドラ 子犬イチの国 キボウ編 の感想です。

子犬イチの国 キボウ編(原作:22巻 のら犬「イチ」の国)
脚本 大野木寛/絵コンテ・演出 安藤敏彦/作画監督 志村隆行・久保園誠


希望編という言葉を聞くと踏切を思い出す私はQ'tron西川信者。大丈夫。ドラのほうはあれほどプロット破綻してないよ!

きょうは結構演劇タッチ。声優さんの演技も演劇的でわざとらしかったような気がする。実際に2時間くらいかけて演劇にしてみたら良い線いくんじゃないでしょうか。前例もあることだし。そういえば見てないな……。 →舞台版ドラえもん のび太とアニマル惑星

まあつまり、イチとの友情の育みと宇宙脱出を一時間で同時にやるのはやっぱり無理があったんじゃ……。かといって感動的な演出の前者だけを30分でというのもつらいか。コミカルに30分で終わらせたほうが良かったような気がする。

なんか記憶を失う進化退化ビームの効果がほとんど意味をなしてないじゃないですか! 首輪見るだけで思い出せるんですか! 首輪がキーになることは予想してましたが、ちょっとストレートすぎませんか。ビーム関係なく普通に忘れてました、で良かったような。思い出すのも早すぎて、感動できなかったです。

あと、完全にドラ頼りになってるのもちょっとなーと。イチの国だけで頑張ってほしかったところ。突然他の星にたくさんのイヌネコが行って、生きていけるのかという疑問もあるし。今回は突っ込みどころが多いな。キズナ編もですが、構成がイマイチですね。

人間は動物に対して酷いことをしたかもしれないけど、家族のようにかわいがってもくれた! みたいなやりとりが結構印象に残ったので、ここだけ取りだして一時間なんて手もあったと思うのですが。まあそのうちオリジナルでやってみてはどうでしょ。魔美のサマードックっぽくしたりして。

やっぱり全体的に感動的な演出がすべってるようで微妙かなあ、と思います。でもでも、そんなことはどうでもいいのです。ネコに遊ばれるタヌキがとってもかわいかったり、ご老イヌネコに和んだり、救命ボートがシュポンシュポンと飛び立つシーンがものすごくかっこよかったりとか、必死にひらりマントを振るドラがおもしろかったりしたからそれだけで私は十分だ。別にアニメはストーリー・構成だけが評価基準ではありません。

ラストは回想で終わる結構めずらしいやり方かな。こういうの好きですよ。ただ、あと10秒くらい余韻がほしかったかな。


・みんな聞いてください! もうすぐものすごい数の火山が爆発するんです!
……たとえば現代の地球の街中でイヌがこんなこと叫んでいたらそりゃーみんなびっくりですな。というかイヌのおまわりさんを含めみんな冷静すぎるような気がする。

・大噴火を止めるなんて歴史を変えることは絶対にできない!
ここ突っ込みどころだよね? そうだよね? イヌを進化させて放したあなたが何を言う。


ロボットクイズ3
演出 鈴木洋介/作画監督 をがわいちろを/原画 田中好浩・関三恵子


こんどこそちゃんと言う! 作監のをがわさんはマイメリの原画のひとだよ! ただし同姓同名の別人でなければだけど。

お好み焼きを作るロボット。なんだかかわいい。しかし、その動きはすべてプログラム、なんて言ったら冷める? でも「魂は固有に存在するものではなく、周りの人間が感じるもの。だからロボットにも魂はあり得る」なんて話を聞くと、それもきっとありかな、とも思う。

まあいまはそんなことはどうでもいいや。見どころはお好み焼きのへらで家ひっくり返すザンダクロス。これはシュールだ。なんか機械的で無機質な感じがハマっていてきょうで一番笑った。


来週はお休みで次回11/12の放送は「しずかちゃんと温泉へ行こう」「ドラえもんだってママがほしい」です。
なんかいろんな意味ですごい当たり回の予感!

ドラえもん 子犬イチの国 キズナ編

2010/10/22 わさドラ 子犬イチの国 キズナ編 の感想です。

子犬イチの国 キズナ編(原作:22巻 のら犬「イチ」の国)
脚本 大野木寛/絵コンテ 腰繁男/演出 吉野芙紀/作画監督 嶋津郁雄


うーん。感動させようとする意図がすべっているような。BGMもちょっとしつこかった。前半のたった15分であそこまで感情移入させるのは無理でしょう。せっかく前後編で一時間やるんだからそのへんは後半の後半で強調したほうが良かったかと。上手い演出も後述するひとつくらいしかなかったし、今回は特に触れるところはないかな。別に悪いわけではないけど。

ペルム紀とかクラインの壺のアイディアはSFに強いと聞く大野木さんかな?(アイディアが大野木さんかどうかは知らないけど、友だちになってチョンマゲはいまだに記憶に新しい) ここは良かった。ただ、ペルム紀の解説は説明的すぎるのでもう少しさりげなく流してほしいところ。

逆に、ママにイチが見つかったときはセリフを使わない上手い演出だった。怒鳴ったりしないあたりがわさドラママ。キャラが固定されていて良い感じ。

ちなみにイチのデザインは原作の大きくてかっこいいほうが私は好き。でも普通に考えてあんな大きな犬捨てる人はそういないか。というか動物への餌づけは本当はやってはいけません。


・たしかに、地質学的な汚染によって年代測定をまちがってる可能性もあるね
……小学生は普通こんなこと言わない。出木杉くんならありだけど。にしてもきょうはやたら理屈っぽいセリフが多いな。

・動物語ヘッドホン
前から気になってるんですが人間と犬って言葉が通じる、すなわち価値観を同じくするものなのかなぁ。哺乳類で同じ系統の脳を持っているから話できるのかな?

いや宇宙人と話ができるほんやくこんにゃくがあるという時点でこれに突っ込むのは野暮だとはわかってるんですが。レム『ソラリス』、藤子SF短編だと「いけにえ」なんかで書かれているとおり、まったく進化の系統が異なった根本的な思考パターンが違う存在を理解するのは基本的に無理なはずなんですよ。

動物が喜んでいるように見えてもそれは人間主観でそう見えるだけで、本当は喜んでなんていないかもね。

動物の記憶がどうのという話だとどうしてもマイメリのこの話を思い出す。
「一匹の猫を三週間預かりました。楽しく過ごしたあと、その猫は元の飼い主に返され、猫はのちにその三週間のことなど忘れてしまいました。さて、その猫は、預けられた後と前でどう違うでしょう?」
……ドラのこの話で↑を例に出すのは間違ってるか!? まあこういう残酷な話もありますということで。動物が人間の処理できる価値観つまり「心」を持っていたとして、人間と触れあった動物は、人間のことをどう思っているのかな。えさをくれる都合のいい存在! としか思ってなかったりして。

なんでこんなにネガティブな感想なんだ私。いやいや犬は本当に喜んでますようん。だってそう考えたほうが幸せじゃない。私がだけど。

ということで希望編に続く。


ロボットクイズ2
演出 鈴木洋介/作画監督 丸山宏一/原画 矢吹英子


せっかくロボットを出すならこんなロボット的なロボットよりも石黒浩先生のロボット出してみたらどうでしょう。『ロボットとは何か――人の心を映す鏡』はおもしろいですよ。ロボットそのものよりも、人間そっくりのロボットに対面したときの人間の反応が興味深かった。
自分そっくりのコピーロボット開発に世界仰天!:Tech総研


来週10/29の放送は「子犬イチの国 希望編」です。
なんかワンニャン時空伝っぽい雰囲気。

Erde ~ネズの樹の下で~ ネタバレ感想


普通の人間ってなんなのでしょうか? (by エナ)


以下はゲーム Erde ~ネズの樹の下で~ のネタバレを含みます。
ネタバレなしの感想・攻略情報はこちら Erde ~ネズの樹の下で~

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タグ: Qtron

ドラえもん 迷宮お菓子ランド

2010/10/15 わさドラ 迷宮お菓子ランド の感想です。

迷宮お菓子ランド(アニメオリジナル)
脚本 藤本信行/絵コンテ そーとめこういちろう/演出 八鍬新之介/作画監督 岡野慎吾


久々のドラ。ドラ休み中にのんびりマイメリ進めていた私ですが、ドラ関係に生かせそうなものを得た。優れた脚本(ストーリーにあらず)ってマイメリのような作品のことを言うんだろう。ドラでもセリフに頼らない演出にもっと注目してみることにする。今回は池に落ちて、さりげなく口をぬぐう(?)ところでチョコレートに気づくところが良かった。

脚本関係についてはそのうち単独で記事にする……かも? アニメ完成品から脚本を逆算するのは不可能ってことを知ってほしいし。特に劇場版の真保さんの場合。


ご飯食べたあと、ついでに甘いおやつを食べすぎてから録画ドラを見たのは今回に限っては大失敗ある意味大成功だったもよう。もうお菓子なんて見たくない!!! とりあえず甘いものだけじゃなくお茶とおせんべいが必要だと思うんですよ。甘いものばっかりはかなりきつい。しかもあんなに食べたら具合悪くなりそうな予感!

おやつというのは物足りないくらいがちょうどいいんじゃないかと、きょうの私のような状況だからこそ思った。というかケーキの管理棟、わざわざ食べんでもいいじゃない。

ちなみにですね、べっこうあめってかなり体に悪そうですよ。これは一度自分で作ってみるとわかる。ほんとに砂糖ばっかりですから。どのお菓子にもあんなに大量の砂糖が入っていると想像するとあまりお菓子食べたくなくなったりする。

ところで、あそこのお菓子の定義ってなんなんでしょう。とうもろこしはポップコーンにしなくてもゆでればそのままお菓子になりそうな。ん? それはおやつ? gooの『デジタル大辞泉』を引いてみる。

菓子: 食事のほかに食べる嗜好品
おやつ: 一般に間食のこと

……とうもろこしも、ときにはお菓子になりそうな気がします。あとしずかちゃんの大好きなやきいもとか。最近はお店で売っているスナック菓子のようなものがお菓子といわれることが多いと思いますが、ひと昔にお菓子の国を描くと少し違ったものになったかもしれません。


なんか内容に触れてないような気がするけど、今回良かったよ! 敵の動機が適当なのが少し残念なくらいで。お菓子の国というハッピーな世界のはずなのに、妙に無気味な雰囲気が漂っていたのがツボ。あと、高速で空を飛ぶお菓子。お菓子ってそんなにかっこいいものだったっけ。

特にビスケットのティラノサウルスは、レゴブロックというやつですか? これは芸術品である。レゴブロックで検索してみたらこんなのが。
第1回レゴブロック作品コンテスト

す、すごい……。大人の作品が上手いのは当然として、子どもの作品もかなり良い線いってるのばっかり。そういえば『ぼくドラえもん』かなにかにレゴでドラえもんを作った灘の学生さんがいたような……。あれも凄かった。


ロボットクイズ1
演出 鈴木洋介/作画監督・原画 田中薫


新キャラ、ピッポ登場。なんかハリ坊みたいだな。ハリ坊はストーリーに生かせていたかというとかなり微妙だったけど、今回は大丈夫かな? まあ寺本さんだし心配はしてないけど。ミクロスが出てないところを見ると、もしかしたらミクロスの役割をピッポに当てるのかも。

それよりも、これで脳改造は無しみたいなのにほっとした。容赦なくあんなことをやるようじゃ、ヒトとロボットは仲良くなれないよ。

リルルはヒトのカタチをしてるから、人間の側で一方的にヒト(notロボット)とみなしているにすぎないと言われても反論は難しいはず。リルルはヒトっぽいから助ける、ジュドはヒトじゃないから脳改造。見た目だけでしか物事を判断できない、理屈に合わない人間の心ってすばらしいね!

不合理な心で救われた人間はたくさんいても、同じくらいもしくはそれ以上に傷ついた人間もいる。人間の心はすばらしい、ロボットもこんな心を持ったほうが幸せという考えは、人間の勝手な思い込みであり傲慢にすぎないと私は考えています。皆さんはどう思いますか?

もっと考えてみたいという方は、My Merry Maybe リース・鏡・穂乃香シナリオはやらないと損です。ロボットとヒトとを対比してアイデンティティ・存在意義を探る名シナリオ。……もっとも、前作含めて推奨プレイ順にやっていったらたどり着くまでに50時間くらいかかるけど。そんな時間は無い。ならこっち。:山本弘『アイの物語』感想

「レプリス(ロボット)に、心はあったほうがいいと思う?」(by 水上鏡)
数年前にマイメビをプレイして、いまだに頭から離れないセリフのひとつ。ドラえもんという作品はそもそもロボットが大活躍(?)する物語だから、ヒトとロボットの関係を描くなら適当にごまかしてほしくないんです。いや一番の理由は、私がヒトと他生物の関係を描く話が大好きだからなんだけど。

とにかく寺本さん頑張れ。たった2時間でどこまで描いてくるか期待します。


来週10/22の放送は「子犬イチの国 キズナ編」です。
大昔に犬を持ち込んで、食物連鎖のバランス崩れなかったんだろうかとかそんなつっこみはなしですよね。どうやら、昔に連れて行ったあとなにか事件が起こるようですが…?

シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』

不思議のひと触れ (河出文庫)本屋をうろついていたらPOP広告つきの『不思議のひと触れ』が目に入ってしまった。前に読んだ『海を失った男』が気に入っていたのでつい購入。私はこの広告を書いた人とともだちになりたい。スタージョンとかセンス良すぎだろう。

正直に言って、私は『海を失った男』で作者が何を言いたいのやらさっぱりわからないことが結構あった。でも、私はスタージョンという作家が好きだ。

他の作家にはない魅惑的な筆致で描かれる幻想的な世界。そこにある不思議な魅力になぜか引き込まれてしまう。それ以上の理由はいらない。とにかく、スタージョンの良さを伝えるのはここでは不可能だ。

ということで、スタージョンをまったく読んだことのない方がいたら、一冊でいいからスタージョンの本を手に取ってみてもらいたい。SF作家ではあるが、純文学に近い文章を書くので、SFを読まない方でも本好きであれば誰にでも薦められる。

古典SFなんて過大評価の作品ばっかりで実際はつまんないというSFファンの方も読むべし。アイディア自体は古いかもしれない。しかし、文章の上手さからくる巧みな語りは他のSF作家を凌駕する。

ためしに読んでみて、彼の文章に熱中することができたなら、あなたは良い作家を見つけた。『不思議のひと触れ』は『海を失った男』よりもわかりやすいので、初読の方は『不思議のひと触れ』をおすすめする。


藤子SF短編の「宇宙人」ってJ.P.ホーガンのあれが元ネタかなあ、と思っていたらスタージョンのほうが先か! そして「雷と薔薇」 もしかしてネビル・シュート『渚にて』の元ネタ……って解説によると史上初"核の冬"SFだって!? 最初なのにすでに完成の域に達していて凄い!!! 

キイス『アルジャーノンに花束を』、テッド・チャン「理解」を読んだあと、スタージョン「成熟」を読んでこれまた衝撃を受けた思い出が蘇る。いまさらだがスタージョンってSF史においてかなり重要じゃないか。しかも古典のくせしておもしろいから困る。なんというか、アイディアは見たことあるんだけど、デジャブを感じない。


巻末の大森望さんの解説がおもしろかったので引用。

どこにでもいる平凡な人間になにか不思議な出来事が触れたとき、その人生はどう変わるか。スタージョンのSF/ファンタジーの多くは、その変化を描いている(だから"A Touch Of Strange"を藤子・F・不二雄流に、"すこし不思議"と訳せば、スタージョン作品は"すこし不思議"のSFとも言える)。(p384)

大森さんに同意。「裏庭の神様」はなかなかドラえもんチックな話だった。スタージョンとP.K.ディックはFっぽくて個人的にかなり好み。というかFっぽいというのは2人に失礼か。Fがスタージョンとディックっぽい。ディックの主人公も基本的にヘタレだしね。だがそこがいい。

大森さん非常に詳しい解説GJです。最後の短編読み終わって結構ページが残っているのに解説に入って驚いた。スタージョン生涯で5人の女性と結婚!? ディック変なところ見習ったな。

2冊しか読んでいないでこんなこと言うのはなんですが、ほんとに私はスタージョンが好き。文体盗みたくて時間があるときに写経するくらい好きです。「海を失った男」は翻訳の若島さんも見事。漢字とひらがなの絶妙なバランスが雰囲気を出してる。スタージョンの訳は若島さんのほうが向いていると思う。大森さんはちょっとわかりやすすぎるかも。

輝く断片 (河出文庫)
輝く断片 (河出文庫)もう『輝く断片』文庫版出ていて驚いた。10月発売なのは覚えていたけど。いまの時点で3作読みましたが、あいかわらずのスタージョンの予感! 「たとえ世界を失っても」以外にもゲイ小説書いてたのか。イーガンもゲイ小説やってたなぁ。

にしてもスタージョン復刊してくれるだけでもありがたいのに文庫化とは。文庫しか買えない私にとっては神。というかSF出してくれるだけでほんとは神。

河出さんは量は少ないですが何気にいい仕事します。『20世紀SF』『NOVA』『銀河ヒッチハイク・ガイド』『ハローサマー・グッドバイ』などなど。これは応援せざるを得ない。文庫なのに値段が高いなんて文句言ってはいけません。

とにかく河出さんありがとう! と感謝しつつ奇想コレクションもっと文庫化していただけませんか? 私はエドモンド・ハミルトン待ちです。

タグ: 本・SF

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