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とっても楽しいSF小説ベスト5 -2010-

気づいたら100冊ちょい読んでいた今年。せっかくなので2010年に読んだ本から5冊推薦してみる。たかが100冊からなのであんまりあてにしないでね。何度も言いますが私は飛浩隆がわかんないようなぬるいSFファンなので、あまり難しい本は入れられません。それを前提にお願いします。


第5位 有川浩『空の中』

空の中 (角川文庫)次作の『海の底』とどちらにしようか非常に迷ったあげく『空の中』をランクイン。シリアスすぎて息もつけなかった『海の底』に比べ、同じように日本にとって大変なことになっているにもかかわらず、微妙に抜けた空気がツボ。

大長編ドラえもんが好きな方は絶対読むべし。大長編ドラに似ている、かつ明らかに構成力がドラ以上。映画ドラスタッフに有川浩呼べばいいのに、と思った一作でした。


第4位 小川一水『天冥の標 2 救世群』

天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫JA)この人は凄いなぁ……。ほんと凄いよ。1→2→3と全然違う作風でかつ繋がっている。でも、ほんとに完結するの? これ。ラスト10巻でお得意のデウス・エクス・マキナとかやったら投げますよ。

全10巻になるという『天冥の標』シリーズ第2弾は小川版『復活の日』といえるパンデミックSF.『復活の日』はまだ救いがあった。でも、小川一水の現実は……。

世界やばいよ! いつ救世群が来るんだ! とやきもきしたあげくのあのオチには、本気で絶望した。それしかなかったのか。それしか。

ちなみに1巻と2巻はどちらを先に読んでも問題ありません。私は、2巻を先に読むのをおすすめします。


第3位 ロバート・チャールズ・ウィルスン『時間封鎖』

時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)突然地球が不思議な膜に包まれ、流れる時間が1億分の1へ。このままでは地球上の50年経ったら太陽が寿命を迎えてしまう。これはやばい! そうだ火星に植民しよう! ととんでもないアイディアで乗り切ろうとする人類。しかし…?

オールタイムベスト級海外SF。ハードSFで難しい用語もたくさん出てくるにもかかわらずめちゃくちゃ読みやすい。海外SFで久しぶりに一気読みしてしまった。これは翻訳の茂木健氏のたまもの。翻訳もの苦手な方にも薦められる一作。えー文庫なのに高いとか言わないで。


第2位 森岡浩之『夢の樹が接げたなら』

夢の樹が接げたなら (ハヤカワ文庫JA)鬱です。鬱です。鬱です。今までで一番印象に残った個人短編集かもしれない。藤子Fファン&Q'tronファンともども読むがいい。そして絶望せよ。

藤子ファンなら『逃げゆく物語の話 ゼロ年代日本SFベスト集成<F>』収録の「光の王」もいいかも。


第1位 伊藤計劃『ハーモニー』

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)トップは森岡浩之のはずだったのに……。12月で大逆転。

ちょうどMy Merry Maybeをやり直していた私にその結論は酷すぎませんか。人間の魂が、魂がぁ! 私は「魂」というのは自分の「心」を動かす独自の力だといまのところ思っています。だから、この『ハーモニー』という作品には魂がある。それだけ。

読んでください。それだけの価値があります。



今年はSFアンソロジーが豊作でした。NOVA3の編集後記によると17冊? 数えたら7冊しか読んでませんでした。これからのSFは、ハヤカワ・創元の近刊を読む限り、落ち着きそうな感じかなー。また新刊がバンバン出てきて焦る前に、積み本を読んでしまおう。

ところで創元さん。今日泊亜蘭はいつ出るの? たしか本来は今年の春には出ていたはずじゃなかったっけ。

古典はあまり好きじゃないけど、ここまで周りがじらされているのを見ると、私まで読みたくなってきたじゃないか。どーしてくれる。
タグ: 本・SF

伊藤計劃『ハーモニー』

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)「理想郷に倦んだ少女たちは、世界の終わりを夢見た――」

傑作ですね。これは、文句無しの傑作ですよ。
12月にしてまさかの今年No.1.
この話を読んで、魂とはなにかについて本気で考えさせられました。だって、感じたから。今は無き作者、伊藤計劃の魂を。

前作の『虐殺器官』も確かに凄かったけど、『ハーモニー』はそれ以上だった。先が読みたい! でも、ページが減るのがもったいない! という二律背反な気分にさせられた稀有な作品。雰囲気に浸っていたかったんだよ。もっと、もっと。この雰囲気がもう味わえないというのは、残念というほかありません。

命は大事。なぜそう言われなければならないのか。自分の命の行方なんて自分で決めたっていいじゃない。自殺したっていいじゃない。

そう言うことができないのは、ひとえに国家の都合が大きいのだと思う。最近は福祉国家と呼ばれる、優しい世界がだんだん広がっている。しかし、それは逆に言うと、生死を管理された世界。その世界は、本当に優しい? そもそも優しい世界って、いったい何? 

伊藤計劃は、それに一つの解を出す。

「ときどきりくつにあわないことするのが人間なのよ」(by ドラえもん のび太と鉄人兵団)
そう、理屈に合わないことをするから、人間ってすばらしい。でも――

オチ自体は確かに他の作品に使われているアイディアかもしれない。でも、違うんです。なにか違うんですよ。きっと、それは魂と呼ばれるものなのです。

まさに、文庫版の装丁通り、白い作品でした。

あとは、皆さんの目でお確かめください。私が語るのはもったいない。あえてMy Merry Maybeファンにも薦めておきます。特にリース・鏡編で幸せについて本気で考えた人はこれを読むと幸せになれるかも。
タグ: 本・SF

帚木蓬生『臓器農場』

臓器農場 (新潮文庫)SF以外もちゃんと読んでるよ。読んでるんだよ! 感想書く気が起きないだけで。ということで、帚木蓬生『臓器農場』 臓器移植ものが読みたかったので手を出した一作。

無脳症児。脳に欠損のあるまま生まれてきて、すぐに死んでしまう。そんな彼らは、人間ではないのか? 彼らの臓器を取り出して他の子へ移植するというのは、倫理的に正しいことなのか?

……という話のはずなのですが。それが描き切れているかと言うとかなり微妙。中盤から病院の金がらみの犯罪が絡んできて、テーマが薄れてしまったかなぁ、と。

最後にはいやそれ法的にも倫理的にもダメでしょうな犯罪になってしまって、結局無脳症児の移植の倫理的な是非があいまいなまま終わってしまった印象があるのが残念。無脳症児は人間なのか? という問いのみで押し通してほしかった。臓器移植について倫理的な面から考えたい方にはあまりおすすめしません。

じゃあつまらなかったのかというとそんなこともなく。おもしろかったですよ。飛びぬけて良いところが一つ。ケーブルカー運転手の藤野茂が人物描写がすばらしい。昔『閉鎖病棟』を読んだときにも思いましたが、穏やかでちょっと抜けた感じのキャラを描かせると帚木先生は上手い。

それ以外は、普通のサスペンスに臓器移植という社会問題を少しだけ混ぜた娯楽小説というところです。あまり難しい話は読みたくないけど、でもちょっと賢くなった気になりたい! という方におすすめ。厚いですが、リーダビリティは高いのでスイスイ読めてしまいます。
タグ: 本・SF

ドラえもん 聖夜のドロボーサンタクロース/ドラミ劇場~塔の中のお姫様

2010/12/17 わさドラ 聖夜のドロボーサンタクロース/ドラミ劇場~塔の中のお姫様~ の感想です。

ドラ-1グランプリ
絵コンテ 善聡一郎/演出・作画監督・原画 高木晴美


善さんおひさしぶりです! ドラキュラ以来。でも、はっきり言います。ギャグがつまらないです! ただしコンテ・作画は気に入ったので満足。とりあえず髪を下ろしたしずかちゃんがかわいいし。そういえばこのしずかちゃんが初めて見られたのがココロコロンの回だったような気がする。

調べてみたら善さんこれ以外に3作しか担当していなかったことに驚き。やっぱりお忙しいんですかね。でも、楠葉さんもちょくちょく出てるんですからたまにはぜひぜひ。


聖夜のドロボーサンタクロース(アニメオリジナル)
脚本 水野宗徳/絵コンテ・演出 腰繁男/作画監督 吉田誠・をがわいちろを・丸山宏一


ココロコロンまんまじゃないですか。放映済みなのでもう少し変えてほしかった。まあ、皆さんは忘れているだろうし問題無いか。覚えているのは原作読みこんだマニアだけ!

クリスマスの雰囲気はバッチリ。そして、ドラミも良い脇キャラになってきたなぁ。ドラと良いコンビになってる。

新しいの買ったからポイはちょっとなんかくるものがあった。子どものとき、ぬいぐるみが好きでよく買ってもらったけど、たしかに新しいのに夢中になった記憶がある。捨てはしなかったけど。自転車やバットとなると確かに捨てたほうがいいよなー。というかドラさん、腐ったドラやきは捨てましょう。

思い出を想起するオモイデコロン。おとといメガネのフレーム折って直してもらったんですが、このメガネとも3年ほどの付き合い。このメガネはずっと私と世界を共有して来たんだなーと思うとなんか感慨深い。あと、お気に入りの今のキーボードは私がパソコン使っているときはずっと私のサポートをしてくれたわけだし。

物に愛着を持つことができるのは、もしかして人間だけなんじゃないのかな、とふと思った。捨てるときも、感謝の気持ちをこめたほうがいいのかもしれない。なんか日本人的。

とにかく、クリスマスの雰囲気、そう雪がよかったです! こちらではまだ積もってないので。いや積もってほしくもないんですが、ああいう景色が、私は好き。


ロボットクイズ6
演出 鈴木洋介/作画監督 をがわいちろを/原画 田中好浩


まだあったのか。とりあえず冷静に巨大ロボットを叱れるママ最強。
例年通り新予告編も公開。リルルの声が良い意味でイメージと違ってものすごくかっこいいんですけど! 惚れた。

ジュドの脳改造はたぶん無し。しかし、おはなしボックスとやらでできたピッポと元ジュドは等しいのだろうか。そもそも肉体変わっちゃってるからアイデンティティが崩壊、ということにはたぶんならない。

ピッポってのび太がつけた名前だったんだ。ふざけた名前つけるなピヨ。うん、確かに。もしかしてピッポ途中で死ぬの!? 結構好きなキャラなのに。メカトピア側からリルルをサポートする役に回りそう。これで原作以上にリルルは悩むんだろうなぁ。いいねえ、いいよー。

ほら私の言ったとおりだったでしょ。映画の公開前から改変に対して文句言うなと。まあ、この期待も公開で裏切られる可能性はなきにしもあらずだけど、私は寺本信者なので問題無いのです。たぶん。

芸能人枠は加藤浩次さんです。役者が揃ってきた。ちなみに私は、メディアで取り上げてもらうことで普段はドラに興味ない皆さんが来て、わさドラに興味を持っていただけるのなら、芸能人起用しても問題ないと思いますよ。全然見られないよりは、そっちのほうが良い。

私は毎日ドラ情報を収集して、映画を今の時点から楽しみにしているわけですが、そんな人は絶対に少数。作品の成功は興味ない皆さんにどれだけ興味を持ってもらえるかで決まる。マニアをいくら味方につけたって無駄。

と芸能人起用を擁護してみる。芸能人起用を批判するのは楽ですよ。でも、それで得られるものがマニアからの称賛だけなら、私には必要ありません。

私も宣伝しよう。ドラ層以外を狙うために、2月はロボットSF月間にするか。でも週一として4冊は紹介しなきゃいけない。3冊はすぐに思い浮かんだけどあと1冊どうしよう。

とりあえずプロフィール欄の『ハーモニー』宣伝ついでに鉄人兵団コメを追加。(単独エントリ書いたので現在は削除→伊藤計劃『ハーモニー』 感想) マイメリファンの皆さんも鉄人兵団をできればよろしくですー、ってここで書いても意味無いな。

とにかくブログカテゴリどうし連携を目指す! だって私のドラ感想を目的に見に来るような方は、私が鉄人兵団のすばらしさを熱弁するまでもなく見に行くでしょ。それ以外の方を取りこまなければダメなんです。そういうこと。


ドラミ劇場~塔の中のお姫様~(アニメオリジナル)
絵コンテ・演出 八鍬新之介/作画監督 久保園誠/原画 増谷三郎・今野葉・久保園誠


髪長姫ですね。原題はラプンツェルっていうのか。→ラプンツェル:Wikipedia
私はココロコロンよりもこっちのほうが楽しめました。ドラミが冷静に髪を切るところで大爆笑。スネ夫王子と会っているときのドラミ冷めすぎ。冷めすぎだよ!

あと、しずかちゃんの魔女が似合いすぎ。スネ夫もいいけど私は断然しずかですね! しかし人が登ったらジャイアンでなくてもかつら取れるのではないでしょうか。


今年の放送はこれで終わり。次回1/3の放送は「新春! ドラえもん祭 祝ウサギ年映画もあるピョンスペシャル」ということで「かべ紙の中で新年会」「もしもボックス」「のび左エ門の秘宝」「映画ドラえもん のび太の恐竜2006」の4本です。
新鉄人兵団の最新映像もあるようです。朝6時からなので、お気をつけて。

たぶん今年の更新はこれで終わりです。あったとしてもSF本レビューかな。ということで Merry Christmas & Happy New Year.

シナリオって何字なの?

この前、シナリオってどんなもの?を書いていて私凄いことに気づいてしまったのですよ。

マイメリって細かい表情変化がとても作りこまれているじゃないですか。だから時間もかかってて当たり前な気がするんですけど、そうではないらしいんですよね。長井さんいわく、締め切りが二か月だったとか。

「締め切りは再来月」(中略) それでも単純計算でひとり950ページ。
シナリオライターになる方法 その4:シナリオライターズ Qtron


リンク先消えちゃったので長井さんのTwitterからもうひとつ。

原稿量が1600k。ラノベ約8冊分を2人がかりで二ヶ月かかり、その続編が2500k(同12冊分)でずーっと書き続けて四ヶ月。 長井知佳:Twitter

長井さん二か月で950枚。一か月475枚。一般的な脚本家は、30分アニメで一本1万3000字の原稿を月に2、3本書くのが普通だそうなので、月に65枚~97.5枚。(参考:WEBアニメスタイル_COLUMN 第84回, 第86回


マイメリその5倍。


え? これなんかおかしくないですか?


小説家のほうも調べてみる。小説家は年に2冊は出さないと食っていけないそうなので、江戸川乱歩賞くらいの厚さ(350~550枚)の本を2冊出すとすれば、月58枚~92枚。

もっと具体的な作家を出すと、直木賞作家の石田衣良さんが月に300枚。(「ドキュメント“考える”」:NHK

道尾秀介さん年に1700枚として月142枚。(道尾秀介:Twitter

やっぱりどこかおかしくないですか?


ちなみにマイメビの情報もつかんでおります。2chから信濃毎日新聞の孫引き。

この間まで書いていたのは、二人がかりで四百字詰め原稿用紙で五千枚、
四ヶ月かかりました。佳境に入ってくると部活動の合宿みたい(笑)
-My Merry May- ≪Pmfh-00000とんで4≫:2ちゃんねる 492さん

5000枚を2人4か月だから8で割って一人一か月625枚


ちょっと待って。


そりゃー直前に出したErdeは適当になりますわな。
タグ: Qtron MyMerryMay

ドラえもん のび太のだいこん大決戦

2010/12/10 わさドラ のび太のだいこん大決戦 の感想です。

のび太のだいこん大決戦(原作:21巻 だいこんダンスパーティー)
脚本 藤本信行/絵コンテ・演出 三宅綱太郎/作画監督 嶋津郁雄


F先生って結構とんでもないこと肯定的に書くよなー。遺伝子操作とかクローンとか一から人間作るとか。しかもサクッと消したりするし。現在そんな肯定的に書けないでしょ。昔のSFはおおらかだったのかねぇ。

もっとも、現代人の私はそういう安易さは認めかねますが。先日レビューした森岡浩之「スパイス」や菅浩江「五人姉妹」なんかを読めばわかるけど、人間そんなに良い人ばっかりじゃないのです。まあ正直「良い人」が「良い」と思ってする行為のほうが本当は厄介だったりするけど。

話を戻す。今回だって、下手するとだいこんで人類滅亡ですよ! 似たような道具で巨大ドラやき作ったあげく滅亡の危機だってあったわけだし(わさドラ未アニメ化)、やっぱりドラ世界は危険です。

オチは普通のだいこんに戻って終わり。うーん。ちょっとやっぱりかわいそうかな。だいこんからは「命」を感じたから。でも、相手の考えがほとんどわからない以上、あのまま生きていくのと、普通のだいこんとして生きていくのとどちらが幸せか、はだいこんにしかわからないことか……。だいこんの側からすると、「命」を与えられて迷惑だったのかもしれないし。あ、もちろん普通の植物に「命」が無いって意味ではないですよ。

まあオチはF先生も適当だしいいことにしよう。「ドラえもん、なんとかしてー」とか「塾があるんだ」とか微妙にいらないシーンが緊張感を削いでいたのが少し残念でしたが、それを除けばきょうはかなり笑える。あのだいこん集団シュールすぎ。これだけでアニメ化する価値のある話。

キャラ的にはママがすっごく怖かった! 包丁で追いかけまわすのはもとより、逃げる大量のだいこんを見て「おでんはやめましょ」と冷静に言い放つところがなんか不気味で恐ろしかった……。だがそこがいい。

しずかちゃんも出番は少ないけどGJ. きゃーシンデレラ、馬車に乗ってばんざーいな光景になんか笑った。と喜びつつ「なんだのび太さんか」と冷酷な彼女も見逃してはいけない。しかしオチといい、のび太は空気読めませんね。


ドラドラニュース
12/18より、映画前売り券発売! では私も買ってくることにしましょう。

ロボットクイズはもう終わりだったか。なんで石黒先生のロボットが出ないの! リルルは人間そっくりのくせにそうじゃないロボットばっかり……。しかたないリンク先を変えてもう一度紹介。→研究者自身のコピーロボット「ジェミノイド」公開:Robot Watch

いつかドラえもんできたらいいなーなんて楽観的な方にはですね、こういうのを見て少しは「恐れ」というものを感じたほうが良いと思うのです。別にドラえもん欲しいという想いを否定するわけではないですよ。(外見的にも内面的にも)人のようなロボットを創るというのはどういうことなのかは知ったほうが良いというだけ。

欧米のロボットは奴隷、日本人は友達、と欧米のロボット観が否定的に見られることが結構あるけど、正直欧米のロボット観に見習うべきことはたくさんあると思う。ということで日本人はアシモフを読め。あのひと良い意味で冷酷だよ。

(4冊しか読んでないけど)私のおすすめは『聖者の行進』 ……絶版だと! 結構最近まであったのに! 「心にかけられたる者」「バイセンテニアル・マン」が読めないとは……。じゃあ『鋼鉄都市』を推薦。有名な『われはロボット』は私はおもしろいと思わなかった。


新春スペシャル朝6時から!? ごめん私、感想書くの無理。これは予想以上の左遷。

微妙に前回の続き。ここだけの話、私は有川浩と有川浩ファンのファンだ! どちらも、楽しんで書く、楽しんで読む、って想いが伝わってくるから。高尚な評論家ぶってないところが大好き。そりゃー新規ファンも増えていくよ。

評論家ぶってアニメやアニメを見ている普通の人を見下す(ように見える)どこかのファンも見習えば? 私は本当は有川浩に映画ドラの脚本書いてほしいと言いたいのですが、どうせどこかのファンが叩いて有川浩ファンを敵に回すのがわかってるから言えないんですけど。

東浩紀氏、「読み手を意識しようとしない」インテリの書き手に対して、警告する:Togetter
この東さんの主張、私には良くわかる。そして、まとめるさいに有川浩『シアター』をもってきた方はさすが。

……ドラ左遷のせいで私もキレぎみのようだ。原作読まずに純粋にアニメだけ見ている方、変な主張見せてしまってごめん。どうかスルーして。原作読まなくても、アニメドラえもんはやっぱり楽しいよね。私は原作ファンとして、アニメだけでも見られていれば十分幸せを感じます。


来週12/17の放送は「聖夜のドロボーサンタクロース」「ドラミ劇場~塔の中のお姫様~」 です。
そもそも、サンタクロースとドロボーって不法侵入しているという点では同じじゃない?

ぼくの、マシン&逃げゆく物語の話 ゼロ年代日本SFベスト集成

ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成<S> (創元SF文庫)逃げゆく物語の話 ゼロ年代日本SFベスト集成<F> (創元SF文庫)

確信した。昔の作品のほうが良かったというのは嘘だ。今も良い。

ここだけの話ですが、私は昔、藤子ファンならSF読んだほうがよかろうということで、クラーク『幼年期の終わり』、ハインライン『夏への扉』、国内だと小松左京なんかを読んだのです。

でも、どうしてもおもしろいとは思えなかった。つまらない、というほどでもないんですが、ビビッと来るものは少なくともなかったのです。それで、SFから一度離れました。古典にこだわらずに最近のSF作品に手を出していれば、SFというジャンルから離れずにいろいろな出会いがあったかもしれないのになぁ、といまさらながら後悔。

ということで、SFを読む皆さんも読まない皆さんも、現代日本のとってもおもしろい物語、読んでみませんか? 特に<F>編は、ファンタジーよりの作品が多く、どんな方でも楽しめると思います。

この本を読んでいて思ったのは、ゼロ年代のテーマは「喪失」かな、と。2001年の9・11テロから始まったと言えなくもないゼロ年代。『夏への扉』で描かれているような未来への明るさは、そこには無い。

でも、個人的に思うに、古典SFで描かれてきた明るさは、ある意味まやかしだったのではないかと。正確に言うと、影の部分に目をそらしていただけではないかとも思います。光と影は表裏一体。それなら、ゼロ年代の喪失の裏には創造があると、私は信じている。

……まあ、気取ったこと言いましたけど、なぜ私がこの作品集を評価するか。それは、鬱作品が多いからだ! 明るい作品は私向けではないのだ。これがすべて。ということで、私には現代作品のほうが合っている。

では、気に入った作品の一言レビュー。じつは小川一水「幸せになる箱庭」以外未読。なんてことだ。

<S>
田中啓文「嘔吐した宇宙飛行士」

まったくもーこのひとは。NOVAに続いてヘンなの描いてる。でも、嫌いじゃない。→NOVA1 感想

菅浩江「五人姉妹」
うわ、菅浩江さんって女性だったのね……。漢字の印象から男性かと思ってた。なぜか「浩」という漢字は男性をイメージする。有川浩という(自分にとっての)前例がいたにもかかわらず勘違いとは。これはちょっと自分にあきれる。

というか桜庭一樹さんも女性だったのか! 菅さんはこの作品の文章でなんとなくわかったけど桜庭さんはわからなかった……。ほかにも勘違い大量にありそうな予感。

臓器移植のためにつくられたクローンの話。最後がもう、切なくて、切なくて。

飛浩隆「ラギット・ガール」
……よくわからない。もっと心に余裕があるときに再読する。有名作家の作品がよくわからないっていうのはなんか悔しいものがあるから。好きなテーマなのはわかったし。

<F>
恩田陸「夕飯は七時」

NOVA2ベストの「東京の日記」を書いた恩田陸。しかし、「常野物語」が合わなくて、この作品も合わなかった……。どうももやもやした感じ。もうすこしすっきり終わる話のほうが好きです。うーん、NOVA2で最初に出会ったのは奇跡だったのか。でも、せっかくのNOVA2での最高の出会いを無駄にしたくないなぁ。これからももう少し読んでみよう。→NOVA2 感想

乙一「陽だまりの詩」
ロボットに心が生まれる話。このテーマにこだわりのある私としては、心が生まれるまでの過程は微妙だった。でも、そんなことはどうでもいい。情緒的な文章が私の心を打った。だから、この作品を読んだ価値はあった。

森岡浩之「光の王」
個人的にイチオシ作家の森岡浩之。(一冊しか読んでないけど……) やはり当たり。でも、これって藤子SF短編の「どことなくなんとなく」じゃないですか? いや、種明かしされるまでわからなかったけど。この作品に限らず、このアンソロジーは現実と虚構のはざまを描いた作品多いですね。

大森さんの序文によると、「思い出してはいけないことをうっかり思い出してしまう話」
いや、そういう問題ではないだろう。

石黒達昌「冬至草」
これは凄い。これは怖い。放射線汚染の話が出たとき、放射線で世界滅亡とかのホラーじゃないだろうなと思ったけど、違う意味でホラーだった。一番怖いのは、自然じゃなくて人間、か。

小林泰三「予め決定されている明日」
コンピューターと違って、現実世界にはラプラスの悪魔はいない! とするならば、それが救いのような気がする。

牧野修「逃げゆく物語の話」
すばらしすぎて目眩した。今年読んだ作品の中でもトップクラス。正直この作品を言葉で語るのは私には無理。とりあえず読め。これだけで1000円の価値がある。

タイトルを見て、???と思ったけど、読んでみるとそのまんまだった。


あれ、感想9作品しか書いてない。でも、当たり連発でした。文句なしおすすめ。牧野修・菅浩江・石黒達昌がベスト3かな。菅浩江作品は初でしたが、文体が特に好みだったので他の作品も読んでみようかと。

新しい出会いに、感謝。

タグ: 本・SF

森岡浩之『夢の樹が接げたなら』

夢の樹が接げたなら (ハヤカワ文庫JA)凄い。凄い。凄すぎるよ森岡浩之。

世の中にはときに、心にズギューンとした衝撃を与える作品がありまして。私にとっては 『My Merry May』とかポール・ディ・フィリポ「系統発生」とか。他にもいくつか。その中に、これからは森岡浩之「スパイス」を入れます。

あー生きてて良かった。一年に一回は世界のすべてを変えるような出会いが欲しいな、といつも思っているのですが、これで今年の目標達成。私は幸せです。この上なく鬱だけど

ということで紹介しなければならない。藤子F or My Merry May ファンは、いやすべてのひとが一度は読むべし。NOVA3やゼロ年代日本SFベスト集成<F>で森岡さんの作品に興味を持った方もどうぞ。

『夢の樹が接げたなら』は「夢の樹が接げたなら」「普通の子ども」 「スパイス」 「無限のコイン」 「個人的な理想郷」「代官」「ズーク」 「夜明けのテロリスト」 の8作が収められた短編集。この中でおすすめしたいのが「スパイス」という作品。この一作で800円の価値あり。これは久しぶりに鬱耐性が強い私の心をえぐった。

人間の定義とはなにか。
ヒトの男とヒトの女の間で生まれたもの、これはヒト。
では、ヒトの細胞からクローンを作ったらそれはヒトだろうか。
さらに、ヒトの細胞等をまったく使わずにヒトそっくりなものをつくったら、それはヒトといえるのか?

そして、ヒトがヒトであるために必要な「心」の存在。心とは何か。コンピューターの Input/Output それは心といえるか。ああすればこうする、こうすればああする、そのデータが極限まで集まれば、それは心ということができないか?

この作品はこの2つを掛け合わせ、ヒトにあらざるヒトを作ってしまいます。ここまでは他のSF作品にもある話。My Merry May にも似てる。

問題は、それを藤子SF短編「ミノタウロスの皿」風にしてしまったところ。つまり、ヒトにあらざるヒトに人権は無いのだから。

これ以上は説明できません。ぜひ読んでみてください。ある意味、夢いっぱいの話ではあるのだけど、ここまで純粋に徹底的にやられるともう言葉にしようのない感情が。もう存在自体が許しがたい話。でも人間の心にはこのような一面があるのも事実。

悔しい、悔しいんだよ。否定できないこの気持ちが。もどかしさが。この話だけは人間としてありえない。でも、理屈で論破できない。いったいなぜ……もうこの世界狂ってる。

ということで森岡さんGJGJGJ.こんなのよく書いた。(下手すると作者の人格疑われそう……)

ちなみに他の短編も個人的に大当たり。ここまで的中した個人短編集はそうない。

表題作「夢の樹が接げたなら」は言語SF. 言語が脳に移植でき、人工言語を作るデザイナーが存在する。さて、言語が認識を支配するものであるのなら?
私は人工言語をインストールするのが怖い。なんかヒトじゃなくなるような気がする。名作。

あと気付いたのは「夜明けのテロリスト」もなかなかマイメリチック。「普通の子ども」がQ'tronゲームErdeみたいな設定。長井or西川さん読んでた? それとも偶然かな。

どれも設定が真に迫る、すぐ背後にありそうなディストピア世界。これらの現実が胸に突き刺さること数回。そして、どの話も読後に何かおかしいと感じる。でも、それを論理立てて説明できない。これがさらに鬱。このとおり暗い話ばかりなので弱い方は注意。SF短編好きなFファン or Q'tronファンにそんな方いないと思うけど。

「スパイス」もっと内容に踏み込んだ紹介をしたかった。でも、でも、これ以上はもったいなさすぎて話せない。言語SF探しでこの本に出会い、「スパイス」の内容をまったく知らずに読めた奇跡に乾杯。

タグ: 本・SF

ドラえもん 恐怖のジャイ子カレー/上げ下げくりであとまわし

2010/12/3 わさドラ 恐怖のジャイ子カレー/上げ下げくりであとまわし の感想です。

文字サイズを5%増やし85%指定にしました。段階的にもっと大きくする、かも。できるだけデフォルトで多くの人が見やすいブログを目指しているので。……最近疲れ気味で、小さい字見たくない! という私の事情もなくはない。

それにしても、たまに本文やら題名やらすべてのフォントサイズ固定のテンプレートを見るけど、なぜ素人の私が絶対書かないと思うようなCSSを一からテンプレートを作れる人が書くのか疑問。

きょうは普通だったので感想は軽く。

恐怖のジャイ子カレー(アニメオリジナル)
脚本 清水東/脚本協力 富永淳一/絵コンテ・演出 鈴木孝義/作画監督 鈴木まりあ


脚本協力ってなんだろう? 一瞬、富永さん演出!? と勘違いした。しかし、今回は安藤さんっぽい演出のような気がする。スネ夫から始まり、ジャイ子が暴走し、途中で変な人が出てきて変な展開になるところとか。ダメです。こういうのは安藤さんにやらせないと。あのノリは安藤さんじゃないとできないのです!

それはともかく。じつはおいしいという前回の予想が当たった! ちゃんと味見してるしね。でも、あんな真っ黒なカレーは個人的にはちょっと微妙な気がする。ところで、「あの殺人的なシチューを作ったジャイアンの妹が作るカレー=殺人的なカレー」は非常にジャイ子に失礼だと思うぞ! まあわさドラのジャイ子は結構危険なタイブではあるけど。

原作ではジャイアンの料理に鼻をつまんでいる普通の常識人なのです。私はジャイ子は原作(わさドラ初期も)のほうが好きですね。クールなところが良い。「なによ話って。あたし、いそがしいのよ。用がないんなら帰ってよ」(ジャイ子の恋人=のび太)

最近のわさドラのジャイ子は地味なトラブルメーカーというくらいでちょっと影薄いかな。漫画家目指しているという設定上手く使ってもう少しキャラ立ててもいいかなーと思わないでもない。わさドラのドラミは好きなので、別に原作通りやれってことではないです。(そもそも原作のドラミってキャラ立つほど出たっけ…? 私の場合、大山ドラのイメージが原作のドラミにもついてしまったのかも)

トウガラシとセミの抜け殻の混合物がとても怖かったのは私だけでいい。一応食事時だったはずだけど、大丈夫なのか…?


上げ下げくりであとまわし(原作:43巻 上げ下げくり)
脚本 藤本信行/絵コンテ・演出 鈴木孝義/作画監督 鈴木まりあ


宿題を出すのを一日くり下げ。明日がくるのを一日くり下げ。学校の授業を一日くり下げ。先生がくるのを一日くり下げ。でどうだ! その気になれば何日でも延ばせるような気がします。そもそも200年くり下げとか無理なのか。いや、この道具だと本当に200年生きるハメになるとかありそうだから考えないことにしよう。

もう一日あれば、というのが通用するのは期限まで全力を尽くしてやった人だけ。遊んでいてもう一日あればという人の言葉なんて信じてはいけません。絶対また遊ぶから。ということ一日くり下げたあと、結局宿題やらずに怒られるに一票。

上げ下げくりって人の心を操作してませんか。しずかちゃんが犬を連れ込んだのは、くり下げを取り消す前のはずなのに、まるであのタイミングで取り消すのがわかっていたかのように……。わかった! そもそも人に自由意志なんてないんだ!……未来の世界は本当にそういうことがありそうで怖いんですが。

ちなみに人に自由意志が無い説はあります。何かをしようと決める前に、すでに脳が行動する準備をしているという話が。自分で何かを決めているというのは、自由意志があると思いたい脳の勘違いの結果であると。本当に、脳って良くできています。そして、怖いです。→自由意志:哲学的な何か、あと科学とか


きょうは映画紹介はなし。せっかくピッポとザンタクロスがかわいく見えてきた矢先なのに。最新の予告はクリスマスSPかな? 去年はそうだった。

あらら。今年は大みそか無いのね。もしかしたら文句ばっかり偉そうに言う「ファン」とやらにスタッフも普通の人々も愛想が尽きてきたんじゃないですか。特に映画とか。映画の改変がどう働くなんて見なきゃわからないのに、それ以前から文句ばっかりなんてやる気無くして当然ですね。そのうち本当に潰れるんじゃないですか。そしたら少子化の影響で……とか言い訳。

本音出しちゃったな。私も自覚してないだけで、「ファン」とやらと同じなのかもしれないのに。自分を客観視できない自分が悔しい。

とにかく、私はドラえもんには、90年代国内SFの二の舞になってほしくないのです。(このへん、いずれ単独で書く予定) 私は原作と同じくらい、それ以上に愛しているから。アニメドラえもんを。スタッフの皆さんを。それだけは自信を持って言います。


来週12/10の放送は「のび太のだいこん大決戦」です。
すばらしいです、すばらしくシュールです。

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