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ドラえもん おいしい温泉に入ろう!/宝さがしごっこセット

2012/3/30 わさドラ おいしい温泉に入ろう!/宝さがしごっこセット の感想です。

ドラCDのiTunes配信状況を調べていて、な~んだ女子十二楽坊のアルバム配信されてるじゃん、これでドラえもんのうた単品で買えるね♪ とよろこんで見たらこれ一曲だけハブられてた!

テレビ主題歌全集にも入ってなかったし、最悪お蔵入りの可能性があるかもしれない。好きな方は早めに手に入れたほうがいいかも。

ちなみにノンテロップOP映像はプレミアムコレクションの『救え! 私たちの地球を!』『戦え! 時空を超えて』に入ってます。

つかドラCDアルバム、ドラ直属の音楽スタッフ(マイクスギヤマさん&沢田完さん)が手掛けたものだけでいいからもっと配信して一曲ずつ買えるようにしてくれないかなあ。「キミが笑う世界」とか一曲でほしい方いるのでは。

劇場版ドラのほうは、「何かいい事きっとある」が30周年CDに収録されてないのが痛いな……。いちおうまだ他のアルバムで手に入るとはいえ、今後どうなるか。mihimaru GTはシングル・配信で買えるしまあ大丈夫だろう。

そうそう。前にともだちとのカラオケで空気読まずに「キミのなかののび太」を歌ったらみんな「これ、すごくいい詞だね!」って言ってくれて本当にうれしかった。やっぱりわかってくれるんだ!

おいしい温泉に入ろう!(アニメオリジナル)
脚本 千葉美鈴/絵コンテ 善聡一郎/演出 今井一暁/作画監督 三輪修


新脚本さんの千葉美鈴さんってこのブログの方かな。12月にドラえもん見まくってるとお書きになってるのはこの関係なのでしょうか。

のび太がおふろ嫌いなのってなんか理由あったっけ? そもそもFさんが嫌いだったんだっけ? まあそれはどうでもいいんだけど、野球でドロだらけのときにチョコレートぶろは無い。無い。

というかこれおふろにつかう道具じゃなくて物を増やす道具でしょーに。未来の世界はどういうマーケティングしてるのよ。

のび太がドラちゃんにキスをして鼻を拭くシーンがなんか寺本っぽかったのでちょっと期待したんだけど違った。ぶっちゃけこの話の見どころはストーリーじゃなくてポカンとしてるドラちゃんとかあきれてるドラちゃんとかのほう。あとはどうでもよかったのである。

宝さがしごっこセット(原作:13巻)
脚本 相内美生/絵コンテ・演出 今井一暁/作画監督 田中薫


ドラえもんのこの話のほか「宝星」、エスパー魔美やチンプイにもあるように藤子作品定番の宝探し。もしかしてネタにこまったときにしかたなくネタにしてるんじゃないか疑惑。

のび太は字ばっかりの本は嫌いみたいなことを言ってたけど、ロビンソンクルーソーやガリバー旅行記、宝島のように本結構読んでるよね。(私読んでない><)

出木杉を本にした話で好きになったのかしら。日本でもオーディオブックはもっと普及させてもよい気がする。

のび太が「これが有名なパンの木だな」とムシャムシャうまそうにパンをほおばるやつですね。RT @yuko_pussycat デフォー『ロビンソン・クルーソー』(河出文庫)読了。昨秋出た新訳のやつだ。クルーソーの話は小学生のときにドラえもんで知った。// 河出文庫:Twitter

さすがの河出である。

次回4/27の放送は「ドラえもんの100年タイムカプセル」です。
あらもう誕生日スペシャルですってよドラさま。

ドラえもん わらってくらそう/のび太の息子が家出した

2012/3/23 わさドラ わらってくらそう/のび太の息子が家出した の感想です。

ネット離脱中に応援メッセージどうもありがとう。3/9のは見返さないと感想書けないな……。

なんか3月に入ってから映画のせいか鉄人兵団(寺本)のせいか知らないけどアクセスが増えているような気がしないでもない。

でも私は本来ドラのことを語りたいわけじゃなくて物語について語りたいのでそっちに期待してはいけません。そもそも藤子ファンダム嫌いだし。あ、言っちゃった。

でも、「ファンならこの作品(末期大山ドラとか渡辺ドラとか)受け入れられなくて当然だよねー」みたいな同調圧力みたいなのは私は問題だと思ってる。私以外にも問題に思っている方はいらっしゃるようだけど……。

レギュラードラはほっといてさっき劇ドラ見に行きました。なんだ結構いいじゃないですか。すくなくとも人魚大海戦よりずっといい。

周囲の評判は全然知らないし「またファンタジーかよ」みたいな感想が流れてるのは想像に難くないけど、私としてはドラえもん関係なく一個の物語として成り立ってるかが重要なのでね。テーマとそれにともなう構成もしっかりしてたからOK。つっこみどころは多いけど。

しかし期待していたケリー博士ぜんぜん活躍しなかった。ガーン。

それと、「ダッケの正体」はネタバレでもなんでもなかったようです。以前ひどいこと言ってごめんなさい。あやまります。

ところで、映画に関連して。前回新鉄人を見ていて気づいたことがあります。新魔界よりも新鉄人のほうがまとまっていて出来がいいと思いますが、新鉄人と同じくらい新魔界が好きな私はおそらく寺本信者です。本当にありがとうございました。

き、きっと恐竜2006よりも緑の巨人伝が好きな渡辺信者もどこかにいらっしゃるよっ! というか私は巨人伝のほうが好きかもしれない……。クリエイターの個性が突き抜けているともはや構成などどうでもよくなるのです。

わらってくらそう(原作:8巻)
脚本 清水東/絵コンテ 腰繁男/演出 鈴木孝義/作画監督 嶋津郁雄


お葬式のときに嫌いな相手に使わせるんですね、わかります。そこまでひどくないパターンに「うちのカナリヤが。うちの金魚が」

原作では呼び捨て(のはず。少なくとも本人がいないときはそう)のジャイ子を「ジャイ子ちゃん」と呼んでいて好感度上がったのに道具のせいでいろいろ台無し。もっとも、石ころぼうしの回でのび太はママに似たようなことをやっていたわけだけど。

ママも先生も、そもそものび太のようすがおかしいことに気づいてあげて……。笑われたジャイアンとスネ夫のほうが「のび太、さっきからどったの?」と心配してるのを見てちょっと感動してしまったじゃないか!

耳になにかつっこんで取れなくなったら耳鼻科に行きましょうね。パンチでイヤホンを取りだすトンデモに笑ったけど、それが転がって外で歩いているしずかちゃんの耳にはまるさらなる無茶ぶりにうけた。

しかしそれに違和感をおぼえないのが本来の藤子Fクオリティ。いちおう原作オリジナルの場面なのだが原作からして基本はあんなのだ。ものを投げるとだいたいダンプカーがやってきて道具をさらっていく。

のび太の息子が家出した(原作:36巻)
脚本 相内美生/絵コンテ・演出 鈴木孝義/作画監督 嶋津郁雄


子は良くも悪くも親に似るっていうのは心理学的にも結構正しい。普通、人間ひとりが知ってる家庭はひとつだけだから、新しい家庭をつくるときも影響されちゃうの。ノビスケのワンパクなところはのび太に似てないが、これは本来の気質なんだろうか。

「将来ろくな大人になれない」っていうのは親や先生の脅し文句なのであまり気にする必要はないけどねー。あまり子どもを脅すのはよろしくないと思います! だいたい将来のび太は結婚して子どもひとりもうけてるんだから立派じゃないですか。いまの時代としては。

しかし。
「この美少女がやがては口うるさい鬼ババに……」
「えー、やだなー、ほんとにー?」
というあいづちはうっちゃダメだろう。将来の結婚相手に、しかも心底イヤそうな顔で! これはのび太がわるい。この前しずかちゃんさようならで命を助けてもらったっていうのに。

「もとはといえばみ~んなきみからの遺伝なんだからね」
え、その前は!?

そうだ、僕は僕だけで出来てるわけじゃない~。

……。

そういう歌だったっけそれ。

次回3/30の放送は「おいしい温泉に入ろう!」「宝さがしごっこセット」です。
チョコレートぶろ。だが断る。

いまさら『クロス探偵物語』(SS・PS, 1998)

PSゲームアーカイブスからいままで配信されていた神宮寺三郎シリーズが消えたorz

神宮寺シリーズは2010年のDS『赤い蝶』からアナウンス無し、携帯の神宮寺アプリも終了、というか開発元のワークジャムのWebサイトが2011/1/20から更新されてないという。わたくし、とてもイヤな予感がします。

そもそもワークジャムの鬼才クリエイター(だった)神長豊さんはいま何やってるのッ! 生きてるの。神宮寺シリーズの新作、クロス探偵物語の続編はまだですか。あのころのワークジャムはもう戻ってこないんですね、わかりません!

追記
一日後日談:わーくじゃむは ばくはつ しなかった><

さらに追記(2014/1/29)
アーカイブス復活した! そしてかなり前にWJのWebサイト消滅した……。

クロス探偵物語1 前編いろいろ思い出していたらクロス探偵物語について語りたくなってきたので語る。隠れた名作……でもないか。AVGファンには有名ですね。もはや続編が出ないこと自体がネタと化しているこれ。

ストーリーが魅力的とかトリックの出来が良いとかシステムが完成してるとか絵がきれいとかいろいろレビューがありますが、個人的にはこのへん過大評価の部分があると思ってる。

その理由としては、
ストーリー:続編前提のつくりで中途半端に終わる。未回収の伏線多数。ご都合主義展開多し。

トリック:ねーよwww 7話のビデオのアレとかどうなんだ!

システム:当たり判定が狭いとか調べるたびにいちいち「ポインタ」を選びなおさなければならないところとかどうにかしてほしかった。

あと、文字入力で知識として知ってないと入力不能なところを出すのはいかがなものか。具体的に言うと1話「大きな卵」・3話「夜光塗料」・7話「ビデオ」

絵:いま見るとさすがにちょっと崩れてるところが。(最近のアニメは絵きれいだからなおさら) でも絵を使った細かい演出は好き。

上を褒めているレビューに期待してやると肩透かしを食うかも。クロスの真の長所はこんなのじゃないですよ。本当の長所は魅力的なキャラクターとその掛け合いです。

ひさしぶりにやりなおしたら1話から爆笑してしまった。「先生が悪者に捕まっている!」と勝手に勘違いして暴走する友子ちゃんと、真相を知ってて「それはあぶない!」とあおって取引持ちかける剣ちゃんとかもうBGMとあいまってお腹いたくなった。

ここは友子ちゃんがボケ役だったけど、本来は主人公の剣ちゃんがボケ役。
「暗号が示す場所は、上中(かみなか)里だろう。このゲームの企画者さ。神長(かみなが)っていうんだぜ!」
「関係ないでしょ!」

このふたりの夫婦漫才は最高!

掛け合いもおもしろければ自己つっこみなんかも秀逸なんだこれが。メタ的なのもいくつか。たとえば趣味の悪いバアさん相手に「付き合って」という謎の選択肢が出てきて選ぶと「お前が付き合え!」ってテレビの中から指差されますw

あと女性の胸に対するコメントがほぼ全種類あったりテキストの細かい作り込みが本当にすばらしい。作りがあまい総当たりAVGはテキストが邪魔なことがあるけど、クロスはむしろ回り道推奨のAVG。クロスの魅力は絶対にテキストそれとテキストに付随して生まれるキャラクターです。

しかし、そのわりに取り扱う事件が残酷というのはグロ苦手な私へのいやがらせじゃー!(視覚的にひどいグロ絵は無いけど、想像すると怖い殺害方法が多い)いちばんおそろしい第7話は4回プレイしないと真相がわからないとか鬼。

もっともいちばんおそろしいいやがらせは、クロスが続編前提の作りかつ「続編決定!」と予告映像まで出しといて10年以上音沙汰が無いことなのはいうまでもない。

関連記事:探偵 神宮寺三郎DS 赤い蝶

ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~

2012/3/16 映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~ の感想です。

前半戦のクレヨンしんちゃんがおもしろかった。ひまわり名づけエピソードなつかしい。

「みどりって名前じゃおムネが小さくていつまでも彼氏にプロポーズされなくてさびしい休日ばっかりすごすようになったらオラの妹がかわいそうだよー」
ああ、まだそういう時期だったのね……。原作のよしながせんせい&石坂さんの結婚エピソードよかったよ。

新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~
監督 寺本幸代/脚本 清水東/絵コンテ 寺本幸代・矢嶋哲生/演出 山岡実/作画監督 浅野直之


とりあえず以前書いた感想をリンク。

映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 -The Only Neat Thing To Do-
だからあれは、バグなのよ。あなたの言い方を借りれば、心と言う名の。
新・鉄人兵団はエンパシー要素が成功のカギ、ついでにFF13のススメ

他に興味あれば鉄人兵団タグからいろいろ読めますのでどうぞ。

ほとんどは前の記事で書いているので今回は細かい部分を。登場人物の気になったセリフから心情を追ったりコメントを加えたり。

・「大きくて、歩いて、ミサイルを出す……こんなんじゃやだー!」
  ↓
「もうすんごくかわいいの~色白で~手足がすっーと長くてきゃしゃで~背なんかもすらっーと高くってさあ~」
「それじゃあドラえもん、つりあいわるいんじゃ……」
(ドラえもんの青い涙)
寺本さんはやはり寺本さんであった。同じものを感じる。

・「信じられない、タケコプター無しで」(飛ぶリルルを見て)
前から思ってたんだけど。

リルル、地球人の前で飛んじゃダメでしょ。

まずはそこからだ。

・「それ関係ないの」(とザンタクロスがビルをぶっこわす)

旧作だと、

それ関係ないの。

ちゅどーん。

あたししらなかったのよー。

までがセットで個人的に爆笑ものなんだけど、新作だとビルがこわれたあとのガラスが美しすぎて途中で笑いがとまる。あれは幻想的な雰囲気すら感じた。寺本さんGJ。

・「こんなひどい歌きいたことないピヨー!!!」(ジャイアンリサイタル)
ジャイアンの歌ネタはいつも笑ってしまう。歌自体よりも周囲のツッコミがうける。
「わからないの? この音波はきっと悲鳴なのよ!」(人魚大海戦)
冷静にツッコむソフィアさんはさすがの王女様である。

新・鉄人兵団でその後ピッポが歌を披露するとき、「まさかジャイアンよりも下手ってオチじゃ……」と想像したのは私だけではないと信じる。

・「リルルは敵を誘導するロボットだよ? だったら完全にこわしちゃえば」
たまに、リルルは見た目が人間なだけでロボットなんだから殺してもOKのような話を聞くけど、実際の戦争でも敵は人間じゃないと洗脳して罪悪感を薄れさせるのに利用されたわけなんだがそのへんどうなのか。

見た目がかわいい女の子で普通にコミュニケーションが取れる、自分の意志をもっていて死を怖がる、傷ついていて無抵抗、さらにこわそうとしたらかわいいヒヨコ目をうるうるさせて「やめて!」と止めるのはまちがいなく。

そんな相手をぶっ殺すのは相当大きなストレスになって普通の人では精神が耐えられないはず。相手がロボットだろうと人間だろうと、基本は変わらないと私は思う。

じゃあどうして戦争で人が殺されるのって、集団心理とか上司の権威の問題とかいろいろあるのです。まあ一対一の関係で人間どうし向き合ったさいに相手を撃てる人間はほとんどいない。相手が敵だとしても、です。

「ロボットだから、敵だから、殺しても問題ない」のような理屈っぽい空想なんて私は聞きたくない。というのも私は戦争や虐待などを取り上げて人間が誰かを傷つけるプロセスを個人的に勉強してるので、この手の話題には絶対に人の不安定な心がからむと確信してる。

こうみえて私はヒューマニストなんです! そういうわけで、

デーヴ・グロスマン『戦争における「人殺し」の心理学』
スタンレー・ミルグラム『服従の心理』

この2冊は読むしかない。とくに前者は筑摩書房の最高傑作だと思います。

「ぼくのたまがあたって血がでた!」
「だって、ぼくにうたれたら痛がるでしょ。悪くするとしんじゃうかも」

と「ガンファイターのび太」(24巻)で人を撃っておびえるのび太はとても正しい。最悪、PTSDで一生苦しむ。それが人間というもの。

たしか『人殺しの心理学』には、殺人を嫌がる心理が先天的なものか後天的なものかについては書かれていなくて。このへんもうすこしわかれば「思いやりの心」に近づけると思ってます。この本はスーザン・フォワード『毒になる親』と並んで人生でもっとも影響を受けたノンフィクション。これを出したちくまは神。

そして『毒になる親』も「思いやり」について考える格好の材料になりますので読んでいただければ幸いですー。児童虐待・DVのみならず、「いじめ」の心理を暴くノンフィクションとなります。ある理由により、アガサ・クリスティーファンも一読推奨します。読めばわかると思います。クリスティーは天才ってことが。:『春にして君を離れ』感想

・「リルルを直せば、鉄人兵団についていろいろ聞き出せるかもしれないな」
今作ならピッポから聞き出せばいいんじゃね? ああそうか。リルルを直すことを材料にピッポの口を割らせやすくする作戦ですね、わかります。いや雲の王国の交渉のことなんかを思うとこいつ裏でそのくらい考えていてもおかしくない。

それと前に、リルルが心を通じ合う対象として選ばれたのは単なる偶然でリルルが特別な存在というわけではないと書いたけど、それについていちおう補足。

リルルが人間の女の子の姿をしていて話しやすかったというのはまちがいなくあると思います。ただし、人間の姿をしていることはコミュニケーションを成立させる絶対条件というわけではないという意味です。

たとえば人間でいうと、ガタイのいいアフリカ系のひとと日本人そっくりなアジア系のひととどっちが早く仲良くなれそうですか、みたいな問題。日本人としては前者のひととはちょっと距離を置いてしまいやすいと思いますが、時間をかければ仲良くなれる可能性をもっている。そういうことです。(だから「ボーリングの玉と話し合いなんてできない!」というのはテーマには合わないと思う)

・「私がこわれたって、あなたになんの関係が?」「関係は……ない……けど」
原作にあるセリフに「関係ない」という返答を付け加えることで、無償の愛というテーマの強調に成功する寺本さんすごい。そのあと、「意味がわからないわ」とリルルは言うけど、しずかちゃんもきっとわかってないんだろうね。

・「ジュド……」(バーベキューのときに病床のリルルからジュドへ通信)
ああ、ここの語りかけ、どうして挿入したのかと不思議に思ってたけど。リルルが無事(しずかちゃんが治した)ということをジュドにはっきり知らせるためか。それと、直後にさびしそうな表情をして出ていったのを考えると、本来自分は鉄人兵団側ということを思い出される効果かな。

・「まるっきり人間の歴史をくりかえしてるみたい」
えっと……小学生で世界史(アメリカ史)はやらないはず。しずかちゃんあなた何者ですか。

わかった、T・Pぼんを読んでたのか! ……まあ歴史マンガとかで小学生でも知識は得られると思うけど、リルルの話を聞いて速攻でアメリカ南北戦争が浮かぶしずかちゃんやっぱりすごいよ。

「ロボットの歴史=人間の歴史」というのは「ロボット=人間」に結び付くのでテーマを読み解くさいのキーになりますね。

・「とりけしなさい!」
ここ一連のシークエンス神。スーパー寺本タイム突入です。新・鉄人兵団で一番好き。

「いま動いたら、傷が……!」
 ↓
「とりけしなさい!」
(リルル、しずかちゃんを撃って腕スパーク
※傷が開くという直前のセリフ伏線回収。直後にリルルが倒れる理由もわかりやすくなった。しかも!(後述)
 ↓
「もう、あんたなんて知らない!」
※一瞬涙をこらえたあと、感情を爆発させてさけぶしずかちゃんの表情がすんごくいいんですけど! 作画GJ.
 ↓
「(外で人形を見つけて)泣かないで……」
※人形はのちのちもっと深い伏線になると思ったらそんなことなかった。ここはちょっと残念。
 ↓
(リルル、目を覚ましてスパークした右手を見る)
※一対一の関係で完全に敵対したにもかかわらず、しずかちゃんが怪我を治したことを強調! ここまで演出を考えて腕をスパークさせるなんてすげぇぇぇ!
 ↓
「意味がわからないわ……あんなことされたのに……」(しずかちゃんを見ながら)
※しかもここ、隣でしずかちゃん普通に寝てるんですよね、普通に。さっき襲ってきた敵のそばで。そりゃ理解できないわ。
 ↓
(ジュドが通信にはいり)
「もしかしたら、人間も、ぼくたちと同じように……」
「おまえは、自分の使命をわすれたの!?」

 ↓
「でも、リルルが、ぼくを助けてくれたのは……」
「やめて! あなたを助けたのは、ただの気まぐれよ!」

(リルル、迷った表情でしずかちゃんを見る)
※(「まさか、彼女も私と同じように……? 人間もロボットも同じ?」 隣にしずかちゃんをおいた効果がここにも!)
 ↓
「リルル、返事して!」
※(「いや、そんなはずない! 人間は劣った生き物なんだ」と無理やり思いこむ。目を閉じて表情を隠す演出最高!)
 ↓

そして地下鉄シークエンス。

 ↓
「リルル、心を閉ざさないで! ぼくの心を聴いて! ううん、ほんとうはもう、きみだってわかっているはず……」
「やめて!」
(=もう聴きたくない!)
完璧じゃないかぁぁぁ!!! 構成完璧すぎて惚れた。
ここのリルルは悩みに悩んでいるから、「撃って!」と悲鳴をあげるんだよね。

・「ときどきりくつにあわないことするのが人間なのよ」

まだうまく言語化できないけれども、私のなかではっきりと答えが出た。これは間違っている。人間は理屈にあわない行動をしない。

じゃあなんで敵を助けるのかというと、結局は助けたいからという自分のエゴなんだと思うよ。助けたいから助けるというのは理屈にあった行動だよね。

で、人を傷つけるという行動もたぶん源流は同じ。自分のエゴを客観視できずに他人のためだとかんちがいした結果として宗教戦争とかが起こる。

宗教戦争のたとえが理解しづらかったら、このへんの記事を。ありがた迷惑をかけてしまったこと、かけられたこと、誰でも一度はあるでしょ? それです。
善と偽善と無自覚と 続・今回の地震あれこれ @宮城県
日本人の80%はレプリス仮説;レプリス≒アダルトチルドレン

あと、『戦争における「人殺し」の心理学』によると人間は人間を殺すのをいやがるから、敵であることを理由に無条件で殺すのはすくなくとも「りくつにあう」行動ではないよ。

まあ、鉄人兵団でいう「りくつ」っていうのは実際には「完全に客観的な状況だけで判断できる合理的なこと」というのが定義なんだろうし、それにしたがうとしずかちゃんの言っていることは正しいけれども。でも私は人間の心という不確定な存在を入れてりくつといいたい。

もう一度いう。「ロボットだから、敵だから、客観的には殺してもかまわない」のような人間の心を考慮にいれない空想なんて私は興味ない。

・「地球人といっしょにすごし、人間というものを深く知るチャンスに恵まれました」
ここですね。本来なら、こんなことをわざわざ言う必要はなかったんです。しかも「人間を深く知った」なんてそんな細かく。

「事故に遭って意識を失っていました。そのあとのことはわからないので、人間がいなくなった理由はわかりません」
これで少なくとも、短期的にはごまかせた。人間も、自分の身も、両方守ることができた。

最初っからそういうつもりなかったんだと思うよ、彼女。

・「答えたく……ありません……」
「答えたくない」という拒否、大好きです。

たとえば「答えられません」というフレーズだと、「調査中なので答えられません」というようにもともと答えを知らないときでも使えるし、ミスをしたときに都合の悪いことを隠すために使うこともある。訊くほうからしても「どうした、答えられないのか!」と詰問したりするじゃない。

「答えたくない」だと答えを知ってるし言うこともできる。でも、「私」は答えることを望まないという個人的な拒否感が出ているのがいいのです。

少年マンガであればそのあと「リルルになにをするー!!!」と主人公がかっこよく敵の前に飛び出すのが定番なのでしょうが、「死ににいくようなもんだ」と冷静に邪魔をする止めるドラちゃんは素敵だ。やっぱりこいつ絶対黒い。

ここのリルルはものすごく勇気振り絞ったんだと思う。直前にのび太を攻撃して、そのせいで自分の仲間であるジュドを傷つけてしまった。もうのび太たちの元には帰れない。ジュドにも合わせる顔が無い。そのうえメカトピア(司令官)の説得に失敗すればまったく帰る場所がなくなるっていう。精神的にいろんな意味で無理。

だからこそ、のび太ジュドが揃って助けに来てくれたときは本当にうれしかったと思われる。ピッポと再会して彼女は泣いて喜んでいるけど、ジュドが無事だったことはもちろん、自分を助けてくれたことへの感謝もあるのかも。

というかリルル、ジュドを撃った直後に司令に発見されて心を落ちつける余裕すら与えられなかったし。もう寺本さんひどいw 「ドラえもんの青い涙」でもドラのプレゼント(コスモス)を本当の恋人にあげたのを目撃させてドラを追い詰めているあたり、やっぱりこの方ひとをいじめる天才である。

・「わかったんだ。のび太もしずかも、みんなリルルと同じだって」(水たまりに映った自分と向き合うリルル)

わりとスーパー寺本タイム。主に水たまりの演出に強く出てる。

転んで水たまりにはまるというのは困難な状況やギャグで定番の演出ではありますが、ここでは水たまりというギミック自体に大きな意味があります。

「答えたくない」絞り出すような声で答えたのを考えると、あの時点ではまだ彼女はロボットも人間も同じということに確信が持てなかった。というより認めるのが怖かったのほうが正確かな。直前まで必死に否定してたからね。

ターニングポイントは味方であるはずの司令官に吹っ飛ばされたこと。ここで鏡(水たまり)を通して完全に自分と向き合い、メカトピアの思想は間違っていると確信。だから、そのあとは迷いなく司令官に意見を申し立ててる。

・「人間は、私たちと同じように、それ以上に複雑な心をもっています」
想像だけど、制作者はこのセリフを重視してこの作品を創ったのではないかと。

そして、私がMy Merry Mayのプレイをきっかけにずっと、ずっと追ってきたこと、つまりロボットを通した異文化理解の勉強がいろいろ報われたと思った。寺本さんありがとう(泣

・「ジュドまでが我々を裏切るとは!」
まずひとつ。重要な兵器をひとりに預けてはいけません。そのひとりが裏切ったらおしまいです。しかもよりによってあんなやつに預けるなよ!

もうひとつ。やむをえない事情で兵器を預けられるのがひとりしかいないのであれば、最低そのひとりの待遇をよくしましょう。裏切る可能性が減少します。

まとめ:鉄人兵団はリスクコントロールができない組織である。

タイムマシンオチという無茶するよりも、内部崩壊を狙って工作したほうが現実的かも。違うアニメになりそうな気もするが。

・「生まれ変わったんだ! きっとそうだ!」
私はやっぱり実際には生まれ変わってない派。あくまで平和なメカトピアの象徴なのではないかな。再構築されたすべてのメカトピアのロボットのなかで彼女たちは生きている、という。そういう意味では原作よりも「生まれ変わる」理由に説得力あると思います。

あと、タイムマシンオチを使うのであればのび太たちの記憶はないほうがすっきりしたと思う。その場合、リルルとピッポはそのまま出して「あれ? 外に人が? ……気のせいか、不思議なこともあるものだなあ」とのび太に反応させるくらいで。それで観客にはわかるんだから。

以上。たぶんもう鉄人兵団の記事は書かない。My Merry May関係でも同じようなこと何度もいってるし、さすがにネタ切れ。ゆえに私の鉄人兵団テーマ解釈が好きな方はマイメリでもプレイして。マイメリ西川さんとドラ寺本さんは表面的には優しいふりして実際はドSという共通点があります。なんて私好みで素敵なのでしょう。

次回3/23の放送は「わらってくらそう」「のび太の息子が家出した」です。
「わらってくらそう」原作は4ページの名作。アレンジに期待か。

ドラえもん あなたにつくしん坊/おそだアメ

2012/3/9 わさドラ あなたにつくしん坊/おそだアメ の感想です。

あなたにつくしん坊(アニメオリジナル)
脚本 相内美生/絵コンテ 善聡一郎/演出 三宅綱太郎/作画監督 志村隆行


私のことをよく知っている方なら、ここでスーザン・フォワード『毒になる親』、アガサ・クリスティー『春にして君に離れ』をすすめてくると想像ついてるかもしれない……。そのとおり!:『春にして君を離れ』感想

まあこんなに極端でなくとも誰でも「他人に尽くしたいという思いやりのこころ」を持っているはず。しかし私の新・鉄人兵団感想を読んだみなさんにうかがいたいと思います。他人に尽くしたいと思うのはその人のためでしょうか。それとも自分のためでしょうか。まあ最終的には「自分がしたいから」という意味で「自分のため」という結論になりうるというのは置いておいて。

本当に相手のことを考えているのか、それとも善意に押し売りなのかの区別をつけるのはわりと簡単です。「ありがた迷惑です」といってそれを素直に受け入れれば前者、「あなたのためを思って言ってるのに!」と逆ギレしたら後者です。後者はだいたい自分のエゴを他者に押しつけているだけ。

つまり、このつくしん坊は別に「相手に尽くすように洗脳する」道具ではなくて、自分のエゴを増幅する道具だったんだよ!

きょうの感想はずいぶんまじめだって? だって私の身近にいたんだものこういう人たち。まじ迷惑。私が実家捨てて逃げた理由の95%はこの手のアレ。あ、そういうことなの。だからアガサ・クリスティーの作品にシンパシーを感じてしまうのである。

最後に不まじめな話をすると、わたしはつくしん坊~と目を輝かせて踊るドラにはやっぱり女装をさせるとお似合いだと私は確信している。つきまとわれるならやっぱり男だよね。え。違う?

女装ドラや「ぼくのび子ちゃん」で繰り広げられたジャイアンを考えるとドラBLって結構似合うと思うのだがあまり聴いたことのない件について。そもそもドラの同人自体が少ないような? 権利に厳しいとかそのへん関係ないような気がする。

あ、いや。私自身は同人とか興味ないんだからねっ! 勘違いしないでよねっ!

おそだアメ(原作:10巻)
脚本 藤本信行/絵コンテ・演出 三宅綱太郎/作画監督 遠藤良恵


2010年のジャイアン誕生日SPにビミョーにおそだアメが使われて「貴重な原作枠をどうしてくれるー!!!」となってしまったのは私だけなのでしょうか。そんな失望は2年近くなって裏切ってくれました。よくやった。これならアイスショーで使われた「まねコン」なんかもOKだね。

空き地なんて誰でもそばを通る場所で会議はやめておきましょう。すぐバレるから。このへんの脇があまいあたりまだまだ小学生である。

一方でジャイアンは自分の歌が嫌われてる自覚ってないのかね。あれか。ジャイアンはありがた迷惑をさらに発展させた「そんな心にもないこと言っちゃって、本当は俺の歌が聴きたいんだろ」とかやっちゃうタイプなのか。でも歌についてはよくわからんが、誕生日の話によると「自分は人気ない」って自覚がないわけじゃないようなんだよね。

時間差リサイタルオチもいいけど、ぶっちゃけおそだアメのいちばんおもしろくてFっぽいところはママを時間差攻撃するところ。今回、そもそもママの歌はあまり上手に聴こえないのだが、あれはお世辞でいいの? 時間差攻撃のほうが本音でいいの?

次回3/16の放送は『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団』です。
見なさい。

ドラえもん のび太が出会った仮面の女王

2012/3/2 わさドラ のび太が出会った仮面の女王 の感想です。

きょうから劇場版ドラ公開です! ドラ関係者以外でここにいらっしゃる方も今年の劇ドラをよろしくね♪ ただし人魚大海戦の楠葉さんなので質は保証できぬ。苦笑。

3/16には新・鉄人兵団の地上波放送があるのでそちらもよろしく。こっちは超おすすめ。とくにマイメリ関係者は見なさい。これは命令です。あ、お願いでもいいですよ。ただし私首位マスターね。




引っ越しの関係で『河北新報のいちばん長い日』のドラマが見られないことが確定しました・゚・(ノД`;)・゚・

でも。『河北新報のいちばん長い日』は名作ですが、トラウマが残っていると自覚している方は絶対読んじゃダメです。心がえぐられて死にたくなるほど苦しくなるから。私でも「読むんじゃなかった」と思ったレベル。だから、落ちついたとわかるまで読み返さないし、一生読むこともないかもしれない。:『河北新報のいちばん長い日』感想

といいつつ気になるこれ→河原れん『ナインデイズ 岩手県災害対策本部の闘い』
あと、彩瀬まる『暗い夜、星を数えて 3・11被災鉄道からの脱出』も新潮から。小説新潮に載っていたやつの加筆バージョンか。これはそれほど苦しくなかったからぼちぼち読む予定。

2月は鬱本ばっか、と考えていたらさらに加納朋子さんの白血病闘病記が出るとの知らせが飛び込んできました。もうやだ。

そういうわけで予告。私も生きているとはいえ3・11で散々な目に遭いましたが、それをきっかけに新たなひとに出会えたので引っ越して転職します。3/7あたりからしばらくネット難民になるので音信不通になると思いますが死んでないので安心してね。劇ドラは落ちついたら見ます。

のび太が出会った仮面の女王(アニメオリジナル)
脚本 水野宗徳/絵コンテ・演出 八鍬新之介/作画監督 田中薫


え!? マイメリの松岡さんメインで出てたんじゃん! ぜんぜん気づかずに見ていたわたし。

しかしファンはみんな気づいてたっぽい件について。みなさんついでにマイメリ2代目某お姉さんの声が松岡さんか判定してくれないかなあ。私のダメ音感によると彼女な気がするんだが。そもそも某お姉さんの声優を表示してないのは演じたひとに失礼ですよ。

マイメリ知らない方に念のため言うけど、好きなゲームに出てるから松岡さんも好きってわけじゃないぞ、断じてだ。むしろマイメリ(とNever7)というゲームそのものが松岡さんの宣伝のためにつくられたといっても過言ではないというもの。

ジョニー・デップやドラミ三剣士のようにファンタジーになるんじゃないんだろうなと不安に思ったけどそんなことなかった。未来人がしずかちゃんをあやつったみたいな安易な設定じゃなくてよかった。いや、例にあげた2作はそんなフォローすらなかったけど。

しかしやたらデジャブを感じる話である。恐竜とか竜の騎士とか日本誕生とかあと小ネタにベルトとか平らな山とか。ぶっちゃけやりすぎ! タイガーをけしかけられる場面とかいらないような……。そこ削ってもうちょっとオチに時間をかけたかったかな。というかヤリトゲオチは強引すぎだろ!

それと話自体はVS サーベルタイガーやVSしずかちゃんのようにスリルある場面やしずかちゃんが記憶を取り戻す場面のようにいいシーンが多いのにコンテがいまいちなせいか迫力無かったのが残念すぎる。

つまらなかったわけではなくむしろおもしろかったけれども、いろいろと改良の余地が多い話だと思いました。

次回3/9の放送は「あなたにつくしん坊」「おそだアメ」です。
お。おそだアメは「ジャイアンが1000人!?」で消化されたわけではなかったようだ。

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