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菅浩江『五人姉妹』

五人姉妹 (ハヤカワ文庫JA)『ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成<S>』でストーリーも良ければ文章から滲み出る雰囲気も良い「五人姉妹」に惚れて、これは素敵な作家かもなと購入。すみません、ドツボにはまりました。

「五人姉妹」は私の大好きなMy Merry Maybeのテーマと微妙に関係があったのですが、直球でこっち系のテーマを描く方だったのですね。いままで読まずにすみませんでした……。

テーマは科学と人間性。人間はもはや神に近いものになっているのかもしれない。自然を思うままにすることができる。作物を品種改良して自然に逆らうことができる。さらには、その気になればクローン技術で人間を作ることだって可能になった。そのうち「人間らしい」ロボットを作ることも、夢ではないかも?

でも、人の心はそう変わらない。そういう意味で人間は、神にはなれないのだろう。それでもいいのではないか、と私は思う。これは、人の心を描く短編集。

こういう人工知能や人間の心をきっちり描き、しかも心に残る形として残してくれる短編を書く方、他にもいた。そう、私が衝撃を受けた森岡浩之。でも、森岡さんとは違う。希望を感じるんです。人間への希望。森岡さんはラストで絶望を感じるんですが、菅さんはラストで救われる。そんな気がします。……怖いのは2人ともいっしょだけど。

ほとんどの話が正直痛い。痛いです。でも、そんな痛さを柔らかく包み込んでくれるのが菅浩江。おすすめ!

森岡浩之もよろしく。菅さんと違って、ショックが直撃しますので覚悟を決めてから。→『夢の樹が接げたなら』感想

P.S 加納朋子さんの解説、うおお、主人公の名前にそんな意味があったのか。す、凄い。……気づいた加納さんが。普段と違う漢字にされたりすると、意外と気づかない。
タグ: 本・SF
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