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小川一水『復活の地』

復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)さすが、すばらしいバランス感覚の小川一水。

上田早夕里『華竜の宮』(『華竜の宮』感想)を読んだからには、次はこれを読んで、それから阪神淡路のことをもっと調べよう! と思った直後、足元に地震ズドン。地震もっと空気読め。

『華竜の宮』を筆頭にいま読むべき作品No.2は『復活の地』 いまをときめく小川一水が、小松左京『日本沈没』『首都消失』を再び描く。月に結婚式場を作る『第六大陸』に続くプロジェクトX第二弾!

レンカ帝国の帝都トレンカに地震が起こり、帝都は壊滅状態に陥る。たくさんの人が地震による建物被害で亡くなっただけではない。内閣や議会も壊滅、消防や警察も被災して動けない、電気も通らない、さらには外国人差別など多くの問題が噴出する。

政治家の思惑までもが錯綜する大混乱の中で、帝都を復活させようと奮闘する人々。帝都の復活はあるのか…?

え、これなんてデジャブ?

今回の震災で東北沿岸部は町ごと壊滅した場所があるにもかかわらず、ある程度何とかなった部分があるのは、首都圏はほぼ無事だったからだと思う。しかし、その首都圏が壊滅したらどーすんの。最悪、内閣総理大臣以下閣僚が全滅したら、どうやって人を動かすんだ。

小川一水は首都圏が壊滅した際に起こることを想定、そして復興への道筋を立てていく。表紙がラノベ調なら内容も微妙にラノベ調ではあるけれど、いつもバランスの取れた小川一水のシミュレーションは健在。

いま、地震は現在進行形であちこちで起きている。いつ東京にも直撃するかわからない。読むなら、いまだよ!

……頼むから地震さん東京に来るなら東北が復興するまで待って。

短所も。キャラがたくさん出てしかもカタカナ名。海外文学苦手な方にはあまりおすすめできない。それと、シミュレーション・キャラ両方とも結構想定や描写が甘い気がする。特にシミュレーションは小松左京のほうが優れているかなあ。

小川一水はおもしろいしバランスも取れてるんだけどいつも微妙になにか足りないので、その点は結構不満が残る。でも、現在刊行中の『天冥の標』シリーズはものすんごくいい感じなので、期待してる。

JA文庫5月下旬刊、小川一水『天冥の標Ⅳ 機械じかけの子息たち』の原稿チェック終了。『天冥の標Ⅱ 救世群』を超えて、シリーズ内最高傑作度を更新しました(私見)。塩澤快浩:Twitter

まじかっ! 天冥Ⅱはどーせお得意のデウス・エクス・マキナな救世群が来てハッピーエンドなんでしょー、と思ってたら、予定調和すぎる救世群で泣いた。

天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)
天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)ところで、最近のハヤカワはラノベ化著しい。小川一水は実際ラノベだからしょうがないんだけど、小林泰三『天体の回転について』の表紙はどうよ。

グロ苦手で小林泰三ほとんど読んでない私が言うのはなんだけど、小林さんってそういうタイプじゃなくない? もしかして、罠?
タグ: 本・SF
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