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フィリップ・K・ディックと藤子・F・不二雄とマイメリな三角関係

このブログの10%はフィリップ・K・ディックでできている。

すみません。10%は適当です。でも、このブログは藤子FやMy Merry Mayなんかよりもずっとディック成分のほうが多いはず。直接話題にあげることはすくなくても。

だいたい私はディックファン出身のMy Merry Mayファンなんだし、ディックは完全にリスペクトの対象ですよ。評価が高いからとりあえずはじめたマイメリがディック方向にすすんでいくとかなんの因縁。

ディックは本当に短編がうまい。これだけ安定しておもしろい短編を書く作家はほかにそういないんじゃないの? というほど。(もっとも、晩年の作品には文字通り神がかっていてわけわからない作品もあるけど)

そんなディックと似たような作家が藤子・F・不二雄だと思うのです。彼も短編の名手で、それはSF短編集を見ればわかります。はずれがない。

かつ、作風も似ている。藤子Fが描く悪夢世界、たとえばSF短編「どことなくなんとなく」やドラえもんの「うつつまくら」で私は確信しました。このひとの作品はディック的なのだと。

藤子・F・不二雄が描く夢に対してフィリップ・K・ディックが描く悪夢。それは対極にありかつ同一であると私は考えています。だからこそ、藤子Fは黒いSF短編が書けるのだ、と。

私と同じように藤子F作品と関連してディック『ユービック』をおすすめしている方がエキサイトレビューにいらっしゃって私とものすんごく気が合いそうじゃないですか。

なぜ『ユービック』なのか? は読めばわかります。ディックにしてはどろどろしてなくてライトな感覚がちょっと藤子・F・不二雄っぽいのです。

だってほら、『ドラえもん』を「悲惨な現実を改変すべく、ひみつ道具を使うも、持ち前の無能から陥穽にはまるのび太の物語」と捉えれば、ディック的といえなくもないし、『火星のタイム・スリップ』って、そんな話だよなー。『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』もひみつ道具といえなくもない。『虚空の眼』を大長編ドラえもんでできなくもないぞ! ジャイアン世界にトリップだ! ボエ~♪ 無力な人間の魂の叫びという点においては、『ドラえもん』もディック作品も共通なんですよ、とむりやりまとめたところで、今回もおしまい。
「第2回 すこしふしぎ(SF)な悪夢ーードラえもん「どくさいスイッチ」」 :エキサイトブックス

たしかにディック主人公も藤子F主人公も基本ダメダメなんですよねー。『ユービック』はディック長編にしては読みやすいので私もおすすめしておきます。

そしてMy Merry Mayという作品が、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の影響を受けていることを知っている方も多いと思います。ただ、この作品、ちょっと難しいんですね。ディック長編のなかではまだ簡単なほうだとは思うのですが。

アジャストメント―ディック短篇傑作選 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-20)そんな藤子Fでマイメリなあなたにディック短編集『アジャストメント』映画化された表題作を含む名作13編がそろっています。初ディックにはぴったりな短編集。

ぶっちゃけ電気羊なんて読まなくてもディックは短編集読めば十分。どの作品もいっていることはだいたい同じ。だから、ぜひぜひ短編だけでも読んでみてください。エンターテイメントとしておもしろいですよ!

藤子Fなひとならミノタウロスの皿的な「ウーブ身重く横たわる」、うつつまくら的な「凍った旅」、マイメリなひとなら現実と虚構な「にせもの」「電気蟻」あたりをおすすめ。

とくにマイメビのリース/鏡編が好きなら絶対ディック読まないとだめですよまじで。あとは「完全なる模造品の虚構」というシーンタイトルが好きな方とかも。

ディックはホンモノとニセモノ、オリジナルとコピーにこだわったひとです。つまり、完全なる模造品の虚構、あとはネタバレになるからいわない。

というわけで、『アジャストメント』の感想はこちらです。:『アジャストメント』感想
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