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映画わさドラ全体的レビュー と のび太の人魚大海戦につっこみ

もうすでに人魚大海戦については語られ尽くされていて、私から言えることはないような気が。後半が駆け足だったのが残念でしたが、全体的には結構よかったと思います。大長編っぽい雰囲気が出てましたし。

背景美術・CG等はいつも通りすばらしいです。あの美しい世界には引きこまれます。3DCG担当の木船徳光さん・奥村優子さん、美術担当の皆さん、いつもありがとうございます。

HP Workstation 導入事例紹介 映画ドラえもん『のび太の新魔界大冒険~7人の魔法使い~』
この記事を読むと、CG職人も頑張ってるんだなーと思います。


ただ、新開拓史でも思ったのですが、アニメならではの「おっ?」というシーンがないんですよね。
漫画の延長線上を見ているみたいでどうも退屈なんです。


恐竜2006・新魔界大冒険・緑の巨人伝ではこの「おっ?」を感じたんですよ。
具体的には、渡辺監督のレイアウト・寺本監督の演出の細かさです。

といっても渡辺さんのレイアウトについては、うまく説明できませんが。
なんか直感的に「違う」ってわかるんですよ。
(2009年大みそかSPの「45年後」では最初のカットでもう「違う」って思いました)


寺本さんの新魔界は、美夜子さんの描写が丁寧だとよく言われています。
それだけでなく、寺本さんは演出が本当に細かい。
挙げていったらきりがないんですが、たとえば

・台風のなか帰ってきたのび太に「大丈夫だった?」と呼びかけるママ
・地震が起こったときテーブルの下でのびドラを抱きしめるパパママ
・最初に人間の姿に戻ったとき、へたりこむ美夜子さん
・ラストバトルで「(デマオンの心臓に)近づけない!」と涙を流す美夜子さん
などなど。

この細かさがひとつひとつ本当に心に残るんですよ。それが一瞬のシーンだろうと。
(2008年SP「ドラえもんの青い涙」も凄かった)


あとはおまけですが「ワンニャン時空伝」のカーチェイス(藤森雅也さん絵コンテ・作画監督)
なんかも印象に残っていますね。
(藤森さんコンテ演出、わさドラでぜひ見たいのですが! 亜細亜堂が制作から抜けたから無理か)


どうも近年の二作はこのような「これぞ!」というところがないので微妙な印象があります。
まあ、来年は新魔界からさらに成長した寺本さんが拝見できそうかな?
(寺本さん、偉そうなこと言ってすみません! TVシリーズいつも楽しみにしてます!
一年間TVシリーズで拝見できそうにないのが少し残念ですが……)


いまのところ好きな順に、新魔界>恐竜2006>緑の巨人伝>新開拓史=人魚大海戦 というところで。

個人的に寺本さんの演出が大好きなので、新魔界がトップですが渡辺さんもやっぱり大好きです。
そのうち高橋渉さんも来ませんかね?


あと、人魚大海戦で一点だけどうしても気になったところがあります。
QuickJapanの楠葉監督のインタビューで、このようなコメントがありました。


 争いをエンターテイメントとして描くことに抵抗があるんです。(中略)
 今回もアクションシーンは豊富ですが、全体的にコミカルなテイストで統一しました。
 『QuickJapan Vol.88』(p152,2010, 太田出版)



このことを頭に入れて見に行ったのですが、終盤の人魚族vs怪魚族は完全なるガチバトルでした。
いや私はガチバトルのほうが好きなのでこれ自体はいいのですが、
もしかしてドラが黒コゲになるのがギャグだったんですか?
これでコミカルにしたつもりだったんでしょうか。

小説作法サイト「ライトノベル作法研究所」では
「見せ場や山場の部分で無意味なギャグを入れるのは、雰囲気をぶち壊しにするのでやめましょう」
http://www.raitonoveru.jp/howto/h02.html
と述べられているのですが、見事にこれに当てはまっているような気がします。


実は以前にも同じことを感じたことがあります。
新魔界大冒険の中盤、メジューサに襲われて巨大な氷に潰され、
氷づけになったのび太たちをオールシーズンバッジで溶かすシーンがありましたよね。

たとえば、たしかに「雪でアッチッチ」(原作:1巻)ではのびドラは凍って終わります。
ただ、これはあくまでその話がギャグ的な雰囲気だから許されるのであって、
明らかにシリアスなイベントのオチをギャグにするのは不自然だと思いました。


とまあ、ささいな点ですがつっこんでおきます。
人魚族vs怪魚族はスピード感があってとてもよかったです。
というか黒コゲはほんとにギャグだったのかな……?


昔、魔界の原作読んでから映画(旧魔界)見てラストバトルのしょぼさにがっかりしたことがあるので、
わさドラ映画の作画は本当にいいですね。
コミカルバトルよりガチバトルのほうを希望します。
コミカルなバトルといわれるとドラミ三剣士とかいう思い出がよみがえるし。

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