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有川浩『図書館戦争』

図書館戦争  図書館戦争シリーズ(1) (角川文庫)メディアワークス文庫創刊のさいの作家に有川浩が入っていたので、図書館戦争はここから出るにちがいない! と思ってたら普通に角川でずっこけた、とマニアな話。

有川浩の作風は『塩の街』~『図書館戦争シリーズ』とそれ以降にわかれる感じかな。SF好きな方はとりあえず前者を選べ。

というのも、『図書館戦争』までの作品は大きな舞台と目標を設定してその中のドロドロラブラブな人間関係を描いている感じ。近年の作品はわりとこじんまり。

しかもその大きな舞台というやつが、まさにありえない設定なものだから楽しいんだな。この図書館戦争シリーズなんてぶっとび具合はトップクラスなんじゃなかろうか。

巻末の有川・児玉清さん対談で児玉さんいわく、

有川さんはその宣言(注:図書館の自由に関する宣言)を見た瞬間に、これは小説になるぞ、「早く書かないと誰かに取られちゃう!」と思われたそうで。(『図書館戦争』文庫, p390)

ネタとして使うひとは他にもいたかもしれませんが、図書館員が武器持ってガチ戦争なんて考えるのあなただけです。たぶん。

同様に、前々作『空の中』で怪物がばらばらに分裂して制御不能になったさい、「DIDの治療をしよう!」となったのは吹いたおぼえが。どうなってるのよこの人。

しかも、大枠の設定がいい意味で無茶苦茶なのに、「下手なやつに銃弾与えて予算無くなるよりも上手いやつを伸ばしたほうがいい」とか「戦争で公共物を壊したら保険代がバカにならない」とかどうして現実的なところは嫌になるくらい現実的なんだよ!

でも、そんな中で恋愛を描くのがまたすごいというかリアルというか。ついでにいうと……1作目『図書館戦争』の「真相」って読者からすればだいたいあからさまなわけで。しかしそれを知らずトンデモ発言くりかえす主人公には大ウケした。

いや、本当なら本の規制問題とか恋愛がステキとかいうべきなんだろうけど、私はこれギャグ小説だと思う。ということで笑えるのでぜひ読んでみましょう。

ちなみにスピンオフで別冊が2冊出ていますが、こっちはキャラ小説の印象が強いので世界観重視な方は読まなくてもOKだと思います。

最後にちょっと苦言。有川さんの近年の作品はパターン化してきてちょっと危ういと思う。そう感じるのが私だけならまだしも。

某作家さんについて最近思うこと:ぺぎろぐ
ストーリー・セラー:琥珀色の戯言
最近の有川浩さんについて:Yahoo!知恵袋

同じような意見が複数出てきているのを確認したのでちょっとやばいかも。SFにかぎらずいい作品を書く実力派な作家さんなのはわかるので、一作一作丁寧に書いてほしいなあと思います。シアター2はなかなかよかった。

関連記事:『空の中』感想『海の底』感想
タグ: 本・SF
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