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Where is "Self"? Let's solve the mystery of Remember11

2012年01月17日――

果たして『計画』は成功だったのか?
失敗だったのか?
セルフはどこ?
永遠に抜け出せない記憶の迷路。


―― infinity loop へ。
 Remember11 PSP 年表より。(一部略)




Remember11考察動画 セルフ編:ニコニコ動画

こちらのすさまじく詳しい考察に感動したので、私もこのナゾナゾな作品の考察に参加いたします。評価はさまざまですが、私は関連グッズほとんど集めて参考文献読みあさったくらいこの作品が大好きです。

ということで、ここではよく取りざたされる犬伏景子と隠しキャラ○○○(TIPS110のキャラ)の関係について考察しようかと。

以下、Remember11本編及びPSP版追加年表・プロフェシーコレクションドラマCD・ドラマCD Remainsの完全ネタバレです。

その前に。プロフェシーコレクションドラマCDとは、『Remember11 プロフェシーコレクション』に収録されているドラマのことです。

プロフェシーコレクションはVol.1-6まであり、キャラソン・キャラテーマソングのアレンジ・ドラマCD(Vol1-6まで続きもの)・声優インタビューが入っております。

ドラマにはThe Day After Dayというタイトルがつけられていますので、以後はDADと略すことにします。

重要なのはVol.4-6のDADです。Vol.1-3は事故直前から山小屋にたどりつくまでのことを黄泉木が回想したもので、新規の情報はありません。

一方、Vol.4-6は悟が落ちる直前から落ちた直後までのスフィアのエピソードで、犬伏の多重人格が表れるなど新情報があるのでできれば聴いていただきたいと思います。

ドラマCD Remainsとは『Remember11 ドラマCD』のこと。
黄泉木と内海、悟と黛のなれそめエピソード、そしてゆにと謎の少女(CV.友永朱音)が謎の施設で邂逅するエピソードの3つが収録されています。重要なのはゆにと謎の少女の話。説明しがたい話なので、こちらも聴いていただければと。

では、続きを読むから。


おわかりの方も多いでしょうが、いちおうTIPS110で判明する優希堂沙也香について解説します。

沙也香はプロローグに登場する「わたしは、わたしが怖いんだもん」とおびえていた少女のことです。犬伏になんとなく似た彼女は悟の最愛の妹、そしてDIDでもありました。

沙也香はRemember11の舞台からさかのぼること11年、2001年に「その『存在』が永遠に失われ」ました。(PSP年表より) 彼女の『死』をきっかけとして、悟はユウキドウ計画を立案します。

ここを踏まえて優希堂沙也香について考察しようと思います。

ストレートにいうと、肉体的な意味で犬伏と沙也香は同一人物。そして、殺されたのは「沙也香」という「人格」であると考えます。この考察自体は 犬伏景子と優希堂沙也香:朝日が昇り そしてまた落ちる さんにありますが、もう少し詰めていきます。

理由として以下をあげます。

・犬伏と沙也香に共通点がある
わざわざ、積極的に容姿を似せたこと、DIDであることには意味があってのことだと思います。現実世界であれば偶然似ている人に会うこともあるでしょうが、このお話は人工的なものですので制作者になんらかの意図があると考えるほうが自然です。

・犬伏を見て悟がデジャブを感じる場面あり
3日目「オレは穂鳥という女の子の中に、自分に近しい存在の影を感じるからだった」
6日目「ひとりの少女の面影……。死に直面して、絶望の嘆き声しか洩らすことのできない無力な少女の姿だった」

この文章を入れたのも制作者の考えがあるからでは。つまり、「オレ(悟)」≒「影(沙也香)」(2人は二卵性双生児だから近しく感じてもおかしくない)

もうひとつの説も提案します。「オレ(セルフ)」=「影(セルフ)」 なぜ、影がセルフとなるのかは後述します。

・PSP年表
「沙也香 その『存在』が永遠に失われる。(中略)悟は妹の喪失を嘆き悲しむと同時に、彼女の『死』の真の原因――彼女を『殺』した真犯人を追い求め続ける。」

わざわざキーワードに『』を付けているのはただの『存在』『死』ではなかったからでは。つまり、文字通りの死ではなく人格の死もありうるかと。

もしくは、肉体が死んで人格だけがなんらかの形で生きているというのもあり?

・アリス(人格A?)
ドラマCD Remainsで明らかになる犬伏の人格。「お兄ちゃん」がいる。悟のことでは?

Remainsに出てくるキャラがそもそも犬伏(もしくは沙也香)ではない可能性も無くはないけど、Remember11という作品のドラマCDでしかも友永さん引っ張り出してきてそれはないだろうということで除外。

10歳と言ったアリスにゆにが「僕より年下には見えない」と驚いていることから、おそらく2011年1月-2012年1月の話だと思うので、アリスが生前の沙也香ということもなさそう。

Remainsについて細かいことはこちらで考察されております。こちらでは犬伏≠沙也香説。



ひとつつっこみを入れさせていただくと、根拠4の「両親からの虐待」は犬伏だけでなく沙也香にも当てはまる可能性があります。沙也香がDIDだったのはTIPSから明らかで、虐待はDIDの大きな原因になりえますので。もしかしたら沙也香が自分の両親を殺した(PSP年表より)のもそれが原因かもしれません。

・人格E
本編に一瞬しか出てこない+プロフェシーコレクションを持っていないと重要性がわからないせいで全然考察されていないのですが、一番の根拠はこれ。

DAD Vol.6の内海さんの解説によると、

人格E。エンプティーとあだ名された5番目の人格。鑑定に当たった医師たちの間でも、謎とされていた人格だ。意思のベクトルがはぎとられたかのようなからっぽな人格。完全なる虚無。(中略)どうしてそんな人格が誕生したのかは、不明とされていた。

この人格Eがまさしく「セルフ」なのではないかと。人格のキーワード「虚無」は「セルフ」の特徴に該当します。先ほどあげた「オレ(セルフ)」=「影(セルフ)」説の根拠はこれです。犬伏のなかに「セルフ」が入っていた場合、「影」=セルフの可能性が出てきます。

そして、このCDの歌詞カードには、ディレクター中澤工さんの解説が付いています。

ドラマの最終回には、本編でも一瞬だけ登場したE人格が現れます。犬伏の阿波墨における大虐殺の真意を考える上で、重要なキーとなる要素です。『セルフはどこ?』? 『どこ?』。誰かがどこかへ奪ってしまったのでしょうか。誰が? どこへ? そして……何を?

つまり、「セルフ」を誰かがどこかへ奪い、それに人格Eが関わっているということです。

そして、犬伏の「セルフ」=悟の「セルフ」とは限らないのがポイント。悟はあくまで犬伏の言葉を拝借しただけであって、二者の「セルフ」は異なる可能性があります。同様のことをPSP限定版付属のプレミアムブックで中澤さんがおっしゃっています。

作中でキャラクターたちが言っている"セルフ"すべてがイコールで結ばれるわけではないです。 (p44)

そして、犬伏の「セルフ(ユングでいう自己)」=「沙也香」なのではないか? つまり、「沙也香」を「人格E(悟がいうセルフ)」が奪い去り、入れ替わったのではないかと。そして、犬伏は「沙也香」を取り戻そうと事件を起こした、というのが真相と私は考えています。

以上の理由から、犬伏=沙也香でFA。

スフィアに犬伏が必要だったのは、セルフがいるから、もしくは肉体が沙也香だから? もっとも、PSP年表のユウキドウ計画の目的に「沙也香の救済」は入っていなかったからセルフ関連なのかなあ。

……せっかくここまで考察しといてなんだけど、ユウキドウ計画と犬伏(沙也香)がどうかかわってくるのかわからない以上、犬伏が誰であろうと別にどうでもいいじゃんみたいな。

ちょっと制作者情報出さなさすぎです。私はセルフよりも犬伏関係知りたかったのにPSP年表でもほとんどスルーなんてひどい! 病院事件はいったいなんだよっ。

中澤さんは自由に考察してほしいっておっしゃってるけど。考察に考察を重ねる、それは考察じゃない。言い方は悪いけど……妄想だ。

症例A (角川文庫)DID・境界性人格障害のことをもっと知りたい方は多島斗志之『症例A』をどうぞ。この小説に出てくる少女が犬伏のモデル。

境界性人格障害のことも詳しく書かれているので、犬伏の躁鬱気質について理解するにはもってこい。R11の件を抜いてもこの作品は名作。

犬伏関係は以上にして、他にR11の謎を解釈。

・悟を時計台から突き落とした犯人は?

悟が時計台から転落する直前に見た人影――それは、すでに時空内に閉じ込められた『セルフ』だったのかもしれない……。(PSP 年表)

ぼやかしてはいますが、わざわざ書いているってことはセルフということで確定でいいでしょう。内海と犬伏が突き落とすのは時間的に無理なのがわかっている(DAD Vol.6)し、ゆにと榎本は悟が落ちたことを怒っていたから動機がないし。

あえて一番怪しい人物を考えるならゆにですが、彼は除外されます。なぜなら、『設定解説ファンブック』に書いてあるから。

悟はゆにの情報で未来を知り、同時に記憶障害が起こるから登ってはいけないと忠告まで受けている。(こころに転移した彼に、ゆにが攻撃的口調になったのはこのため)(p80)

だそうです。考察もなにもなかった。

・ラストの犬伏はどうしてあんな怖い顔してるの?
もしかしたら単に「穂鳥じゃなくて犬伏でした!」と制作者がアピールしたいだけかもしれず。PSPプレミアムブックには「グッドエンドの後でもきっとやっていけます」なんて書かれているから犬伏と黄泉木&内海で血みどろの争いは起こらないと予想。

でもやっぱり赤ちゃん抱いて崖に近づくのは危ないよ犬伏さん。

そもそもなんで犬伏は死んだ(=精神は真穂鳥)と悟にミスリードさせる必要があったんでしょうね。そこが私よくわからない。たとえ悟が勘違いせずに彼女を犬伏と認識していたとしても、悟は内海さんの計画を命がけで止めたと思うよ。

『設定解説ファンブック』には、

最後に断崖上で双子の女児をどうするつもりなのかに関しても、こころの固定観念(注:犬伏が殺人者であること)が生んだ幻覚なのかもしれない。(p84)

とあり。もっとも、この文は第三者(書き手)の解釈にすぎないかもしれないので当てにするのは危険かも。

ここにかぎらず、ファンブックは設定なのか解釈なのか曖昧なところが結構あってイライラします! KIDのチェックは入っているでしょうからまったくのトンチンカンなことは書いていないとは思いますが。

・どうして犬伏は穂鳥の名を騙ったの?
ゆにに穂鳥と呼ばれて合わせたんでしょう。

あと考察というほどでもないけど気になるところ。

・肉体がサークルから出れば意識残留は起こらないっておかしくないですか? 人格転移って肉体が来るから意識残留が起こるのではなくて、意識残留しているところに「偶然」肉体が来るから起こるものだと説明が……。7日目だけは設定で意識残留が起こらないようにしましたー! ってことですかわかりません。

・こころの言う通り、スフィアはかなり変な施設です。たった4人しか入れないのなら、医師とかお世話をする人とか考えると実質1人か2人しか患者を入れられないじゃない。ライプリヒの実験が関わっているのかと思ったのですが、年表によると本来は刑法改正によりできた国の公共施設みたいだし。

あと、スフィアで内海さんが津波の心配してますが、津波で閉鎖施設が危険にさらされることがあれば、それはかなりの欠陥住宅だと思う。

・いくら大人の体を手にしたとはいえ、胎児が自由に動き回れるものなのかと。ちゃんとした教育を受けなかった人間は大人になっても二足歩行できないという研究があるようです。

・赤受咸青
赤、咸く青を受けると読むなら赤咸受青になると思います。それだと言葉遊びが成立しなくなるのは置いておく。

あと細かいつっこみ。

・スフィアで地震が起きたとき、選択肢でゆにの部屋に行くと、内海が穂鳥を抱いて「必ず守ってあげるからね。最後まで、ちゃんと」 怖すぎる。正確には「最期まで」ではなかろうか。

・声優さんの演技が凄すぎておそろしかった。

中澤さんは黛さんにかなりびびったらしく、

まじで恐かったです。あ、豊口さん本人はとても礼儀正しい方ですよ。念のため。(『設定解説ファンブック』, p20)

とフォロー。

その肝心の豊口さんいわく、

私は演っていてとても気持ちが良かったです♪(プロフェシーコレクション Vol.3 声優メッセージ)

とのこと。 プロフェシーコレクション声優メッセージでは豊口さんが一番おもしろかった。ちなみに声優メッセージで声優さんがR11の印象を答えてましたが、だいたいみんな難しくてわかんないって言ってた。


いじょー。記念すべき日にこの考察が発表できて私は幸せ……なわけあるかいっ。まさかここまで完全版が出ずにPSP年表でも適当にごまかされるなんて思わなかった! Ever17リメイク版も出たことだし、いまからでもいいからなんとかしろ。いや、してください。
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