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『善人シボウデス』 Aliis si licet, tibi non licet.

極限脱出ADV 善人シボウデスわけあって休日に2日ほどホテルにこもらなければならなかったので荷物少なめで2日間楽しめるものを考え、30時間遊べるという善人シボウデスを買ったのですが、大正解だったようです。ひさびさにドはまりしてしまった。

私はRemember11>Ever17>9時間9人9の扉の順で好きだったのだけど、順位変える。これからは、Remember11>善人シボウデス>Ever17でいきます。

同時に、私は途中良ければすべて良しなタイプなんだと自覚せざるを得ない。途中がおもしろければオチが過去作品の使い回しだろうがゼロの計画がいまいち理解できなかろうが明らかに続編前提のつくりだろうがどうでもええわ。だいたい打越ライターの時点でオチなんてある程度予想つくわけだし、オチなど評価対象にならぬ。

ちなみにどんなふうにオチが無いのかっていうと、今回のノナリーゲームはある大計画のための小計画にすぎなくて、「さあ、真の目的を達成させるぞ!」というところでEND。

成功したのか失敗したのかは謎だが計画自体はオチてるのがRemember11で、計画自体オチてないのが善人シボウデスって感じかな。

しかも12RIVENから「仕掛け」がやたら複雑になって「こんなの考えるオレすごいでしょ!」な自己満足と化してるのはいただけないところ。Never7からRemember11は仕掛け自体はシンプルでおおまかなところは一発で理解できるものだったんだけど。

ゴースト トリック NEW Best Price! 2000逆転裁判の巧舟もゴーストトリックでそっち路線にいって正直がっかりした。(というよりもともと巧舟はあんな感じか。逆転裁判1~3では短所が見えづらかっただけで)

ついでにいうと序盤もノナリーゲームの説明ばっかりでテンポが遅くいまいちか。ここはR11には全然及ばないなー。

それでもやっぱり中盤のサスペンス、ホラー、そして燃え展開はおもしろかったのだよ! 燃えるんだよ、全員が協力選んだり裏切り選んだり殺されたりなこの心理戦! ある人物が最後に姿を現してABゲームに臨む、ある人物のまさかの裏切り、このぞくっと感は999で感じなかったもの。

999も「誰がゼロか?」で疑心暗鬼に陥っていたのは確かなんだけど、あまり緊張感は感じなかったんだよね。そもそも999もクローズドサークルなのに9人以外の人物がひょっこり出てきたりするし。それ以上にあれは私に合わない文章が多すぎてちょっと。

善人シボウデスのなにがいいかって999のような修飾過多でうざい文章少ないことや「ふと頭に浮かんだんだけど……」って全然脈絡のない話しないことや冷凍庫に閉じ込められて大ピンチなときにストーリーをつなげるためだけの無駄話しないこと。

人によっては打越の文章が本当に嫌いって人いると思うのよ。私もそっち系。(R11悟編ではあまり気にならなかった、むしろ好きになれたのが我ながらふしぎ。こころ編にはかなわないが)

残念だけどそれ自体は善デスで解消されてないです。でも今回はそういう文章が出やすい地の文が少ないので我慢できるレベルだとは思う。緊急の場面で無駄話っていうのも打越作品には多いけど今作は999の冷凍庫レベルはなかったのでこれもまあOK。

書いていて「なんだ999これが無ければ名作だったんじゃん!」みたいな感想でしかない気がしてきた。つまりは999より全然洗練されているってこと。999が楽しめた人はやるしかないね。

あとファイが打越流電波ヒロインなのではないかと警戒してる方(←過去の私)に朗報。ファイはかなり良いキャラでした。私は善デスでいちばん好き。ここは心配しなくていいです。

そもそも今作は電波キャラ自体がいない。なんてことだ。もっとも、いろんなもの突き抜けて神の領域に達しつつあるキャラならいるような気がする。とても私好みなキャラ。

電波キャラはいないけど、電波がないわけではないのでそこは注意。あいかわらず寒いギャグや下ネタ多いです。「ギャクセンスがゼロで寒いけど打越だからしょうがない」って感想を複数見かけて笑った。みんな打越に汚染されてる!

しかし、今作では打越さんのテキストの短所を打ち消すレベルの長所がある。それは999と違い声優がついたこと。全員巧い。すっごく巧い。

打越さんのネタはむしろ反感を買うことが多くて、前作の八代をババアと罵るところとか品が無いなーとイライラしたものだけど、今作のディオのババアジジイ発言はまったく角が立たなかった。これは声優の勝利としか。infinityシリーズでもシナリオの電波を声優が昇華してるところが結構あったから打越ゲーは腕のある声優つかうべき。どこさいくさ、おめーさー。

感想書こうとするとネガティブな部分が出やすい作品とは思うけど。でも、おもしろかったです。おもしろかったです。しかも携帯ゲーで30時間という大ボリューム作品を出したということも褒めたい。内容にかかわらず、それだけでも、評価すべきだと思う。

で、とりあえず続編はだしてね!

個人的には「これからの俺たちの戦い」が描かれなかったことより、私の好きなキャラが謎だらけで終わったことのほうが納得いかん! 気になるから早く!

それとなんだかんだで前作の999はやるべき。前作のキャラクターが重要人物として出てきます。999の感想はこちら。:『9時間9人9の扉』感想

以下は善人シボウデスおよび前作9時間9人9の扉のネタバレ。2作プレイ済みで見ることを推奨。





ルナが犯人だとおもってましたごめんなさいごめんなさいごめんなさい。

だって前作の紫アレだしルナはその紫に似てるし。(私は999でも紫を疑ってた。怪しすぎたもの) しかもルナエンドが結構長くつづくのはフローチャートからわかったから生きてるのかなって。

そしてルナがゴーレムとわかったときは血の気が引いた。

覚醒して茜のようになったルナに殺される……(||゚Д゚)


おかげで次のABゲームはテンションMAX。あそこは善デスでいちばん燃えた。

そしてそのときファイの言うこと真に受けちゃってごめんなさい。あそこはファイが悪いんだ! ええきっとそうにちがいない。

最終的に信じられるのがロボットというのはなにかの皮肉なのかしら。My Merry Mayを思い出す。

あと火星実験の生き残りのひとりがルナ声だったのにはなにか意味があるのか? 続編はまたルナとファイでヒロイン争いする予感!

茜 が ま さ か の 再 登 場。

しかも前作よりもパワーアップしてもはや人間を超越してる。そりゃ淳平もドン引きですよ。

初期情報で榊原良子さんと沢城みゆきさんが出ると聞いていたのにメインキャラにいなかったから変更になったんだと思いきや。

おまえかよ!

そして、「茜の生死はまだ確定していないのかもしれない」

またかよ!

いや、私は茜好きだよ。というか善デスで大好きになった。ぜひとも次作でラスボスとして頑張っていただきたい。

しかし前作の感動をすべて台無しにしてくれるな善人シボウデス。こんな話他にもあったような気がすると思ったらMy Merry Maybeのことだった。

・全滅エンドが四葉エンドで吹いた。四葉ちゃんが斧で全員ぶっ殺したのかと思った。(あれは全員自殺ってことでいいんだよね?)

まあ四葉はアリスが死ぬルートのひとつで覚醒しかかるからやっぱり四葉だったのですが。でも完全覚醒するルートはなかったな。ちぇっ。

今回PVにネタバレ多かった。アリスが自分にメスを突き刺さそうとするCGあるし"MEMENTO MORI, IF THE NINETH LION ATE THE SUN."のアナグラムもネタバレしてた。それとオリジナルPVアニメのほうは反則。あれのおかげで疑わなかったんだぞ、私は!

・ディオがちゃんとトラブルメーカーしていてよかった。インパクトは黛さんにはかなわないけどゲームを邪魔する者としてぴったり。

でも後先考えずに裏切るディオはバカだと思うの! みんなディオ相手なら裏切るからディオは間違いなく出られないじゃないかという。最初は信頼できるように協力を選んでここぞというときに裏切るのが鉄則でしょ。というかそういうキャラがそもそもいなかったのに驚き。

ディオといいクォークといいルナといい今回は良い意味で予想を裏切ってくれる。ディオがじつはいいやつでクォーク&ルナがじつは腹黒という展開は物語の定番なのに、それを逆手に取ってきた。

・ファイがもっとも好感持てるキャラだったのは予想外。オヤジギャグ言うっていうから「また打越のセンス無い電波キャラが……」と思ってごめんなさい。ABゲームでも裏切るべきときはきちんと裏切って協力すべきときは協力する、この抜群の安定感。

ファイは直感的に信頼できるキャラだった。ゼロでも犯人でもないだろう、と思えるキャラがヒロインというのは安心をもたらす。だって前作の紫は(略

ファイ関係ではKエンドが好き。「なんで解毒剤を自分に打たずに私に打つんだバカ」ってね。PVでファイが銃を向けられるCGがあったからファイも死ぬルートがあるんだと思ってたら真逆でびっくりした。

しかし、その後ファイが目を覚ましたときのことを考えると涙。普通こういう展開ではヒロイン助かっていちおうハッピーエンドということにならないか? しかし善デスは全然ハッピーエンドじゃねーよその後どーすんだ!

あと「解毒剤はファイに打つしかない!」ときてようやくファイがメインヒロインとして動く…! と燃えたらKは鎧着てるからムリという身も蓋も無い理由だった件について。

というかKエンドは謎多し。ディオのパングルを壊したのは誰かとかルナを殺したのは誰かとか四葉と天明寺はどこいったのかとか。ディオは茜殺害を認めたけどルナについては認めてないし。

「では非常に不本意ではあるが、私がディオを引き取ろう」

ファイなんていい子。

Kエンド以外だと双頭の獅子のパスワードを解いたときの不毛なやりとりがなんとなく好き。
「あ~! なんとなくってなんだ!」
「なんとなくはなんとなくだよ!」


・Elapsam semel occasionem non ipse potest Juppiter reprehendere!
つまりルナ・天明寺ルートでアリス裏切られすぎ死にすぎかわいそうと思ったのに、アリスルートで「協力を選ぶなんて頭悪いんじゃないの?」ってバカにしてきたり「もっとも不利な者に選択権なんて与えない。ここは多数決よ!」といって結局アリスと組むハメになったりその結果ガチで殺しにきたりでアリスに同情できなくなるのはしょうがないということです。

VSアリス2戦目の「裏切り」が印象に残った方は多いようですね。私もそうです。アリスの件を除いてもあそこは全員裏切り展開で燃える。ファイが死ぬんじゃないかとハラハラした。

こうやって書いていると善デスはなんだかんだで燃えて印象に残るシーンは多いことがわかる。欠点も多いけど満足度がかなり高いのはこのため。だから早く続編(略

英語版"Virtue's Last Reward"も興味あるんだけど3DSはリージョン制限があるという。PS Vitaを買えということか。

祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)善人シボウデスが気にいった方へオススメ。グレッグ・イーガン「無限の暗殺者」と伊藤計劃「The Indifference Engine」

かたや無数のパラレルワールド内での自分のアイデンティティを探る、かたやすべての人間が同じとなれば争いは無くなるかという問い。伊藤計劃のほうは相貌失認症っぽいのもでてきます。
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