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機械仕掛けの神たち

最新映像公開を記念して、さらに鉄人兵団につっこみます。(前回の記事 新・のび太と鉄人兵団、特報!

あなたは、ロボットです with My Merry May, After Rain
↑とは言ったものの、今のままだと「ロボット」としてのアイデンティティが希薄で、「ロボット」が「ヒト」となる話でしかないような気がしてきた。もっと「ロボット」としてのあり方を追求してもいいと思う。

ロボットがヒトに憧れる話はいまどきな感じも個人的にしますね。1986年当時はどうだったんだろう?(神林長平『戦闘妖精・雪風』って1984年なんだ……)

いや別に古くてもいいんですけど。使い古されたネタならその中に少し新しいネタも混ぜたほうがおもしろいんじゃない?

鉄人兵団は「心」の扱いがすっきりしない。結局メカトピアのロボットに心はあるの無いのどっち? リルルがヒトの心をうらやましく思ったことを考えると心は無い。でもメカトピアがヒトと同じ歴史辿ったことを考えると心はあってもおかしくない。というかあのロボットたち普通にヒトと同じような描写。

……もしかしてこの作品、ロボットと比較して人間のすばらしさを謳う作品じゃなかったりする? ロボットの心とかまったく関係なくて、革命家とか平和運動家の気高さを讃える作品だったりしたらどうしよう。人間だってたとえ間違ってるのではないかと思っても、祖国とか会社とか親とか裏切れないなんてことは普通にあるし。

だとしたら私がいままで考えたことの意味一瞬で無くなる。まずい普通にあり得る。まあいいや。次。

鉄人兵団のオチは反則
本当のところ、私が許せないのはタイムマシンオチではないんです。タイムマシンオチの場合、(メカトピアの)ロボットは所詮ロボットにすぎず、自己改革なんて不可能という解釈をすれば人間の歴史なんて関係ありませんから。(さっきの「ロボットの心とかまったく関係なくて……」の解釈はこの際無視)

そのような重い結末を意味するのにもかかわらず、安易なお涙頂戴でテキトーにハッピーエンドでごまかしているのが我慢ならない。(原作は割とあっさりした別れなので、狙ったわけではないかもしれない)そういうオチにするのであれば直球で勝負すべきです。すなわち後味悪いオチ。

My Merry Maybeのリースエンドでも見習ってください。(あれは後味最悪だけどハッピーエンドだと思います。西川さんよくやった)

My Merry May のこと考えていていま恐ろしい考えが頭をよぎった。鉄人兵団エピローグのリルルってあれみさおBエンド、すなわち新ぴ

いえなんでもありません。

なんかMy Merry May って鉄人兵団のアンチテーゼなんじゃないかという気がしてきた。いや私の考えすぎとは思うけど。マイメリはアシモフ、ディック的なところがあるけど鉄人兵団にはあまり感じられないし。

(ディック「ジェイムズ・P・クロウ」とネタはかぶってるけど、ディックSF的テーマ「認識の揺れ」とでもいうものは感じない。リルルの葛藤が普通に人間的でSFっぽくないからか。ロボットに心はあると思いますか? with My Merry May, again のように深読みすれば別だけど)

ただ、F先生(主にSF短編で)と西川さん、テーマ的にディックの影響受けてるっぽい。プロットが破綻するところまで見習わないでください。まったく2人して。

すべてを無にするかつデウス・エクス・マキナなオチである西川さんの某作品が批判されてるのは、鉄人みたいな感動が無かったからですか。西川さん失敗したな。泣かせればよかったんだ! きっとそうに違いない。

ディック、藤子F、西川真音、小川一水と私の好きな作家は長編のプロットが破綻する。なんで? 個人的にはディック&西川のあれはあれで魅力だけど。

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)
時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)っていま思い出した。ちょっと小川一水、おまえもか。『時砂の王』で鉄人兵団ばりのオチをやったな!!!

作品全体のあの絶望感と時間ガジェットは鉄人兵団を思い出させるものがあったけど、変なところまで真似るなってばー。

え、真似たわけじゃない? いつもです

『時砂の王』は300ページなのが惜しい。詰め込みすぎててちょっと疲れた。もっとページ数増、相対的に内容薄めで読みたかった。もちろん、褒め言葉ですよ。やっぱりオチはどうかと思うけど。

人間とロボットの関わりを模索するSF作品は昔から今まで続いていますが、新鉄人兵団は旧作風で来るか、現代風解釈で来るか期待です。旧鉄人兵団の時代になかった新たな解釈というのがやっぱりあると思うので。

鉄人兵団(1986)もマイメリ(2003)も時砂(2008)も、アンドロイドの切なく残酷な物語。でも切り口は全然違う。
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