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好みなんて、ひとそれぞれ

『今をトキめかない』さんより

先日の「ほんもの3Dテレビ」について、放送前の予告的な紹介(宣伝?)記事が、某ポータルサイトニューストピックに掲載され、実に多くのコメントが寄せられました。
思い出した!あの日の感動! :今をトキめかない

なるほど、こんなことがあったのですか。私は場の雰囲気を見てあれだったら即バック、その某ポータルサイトは見るまでもなく基本即バックなので知りませんでしたし、これから詳しく調べようとも思いませんが。

せっかくなので「作品の評価」について論じてみることにします。
結論から言って、ネット上の評価なんて、まったく当てになりません。

例を挙げましょう。SFで有名なウィリアム・ギブスン 『ニューロマンサー』とフィリップ・K・ディック『ヴァリス』 Amazonの評価を見ると、ものすごく評価高いです。でも、この2作は挫折率が非常に高いことでも有名なんです。

私も『ニューロマンサー』は本屋で覗いてみて無理そうなので止めましたし、『ヴァリス』は同じ神学的モチーフの短編「シビュラの目」が理解不能だったので読んでません。

他にも有名作なのに好きじゃない作品なんて私はいっぱいありますよ。『幼年期の終わり』とか『夏への扉』とか。『愛はさだめ、さだめは死』の一部収録作なんて「シビュラの目」とは違う意味で理解不能な領域なんですが。誰か日本語教えてくださいレベル。とにかく、世間の評価高くても私はおもしろくないんだからしょうがない。

逆に、私が好きで好きで関連作品はほとんど買って、参考資料として挙がっていた本を読みまくるほど大好きなRemember11というゲームの評価はこのとおり真っ二つで総合評価は微妙。

あと、私の大好きな映画ドラ 新魔界大冒険も評価は低いです。でも私は好きなんだからしょうがない。前作や旧作の評価が高い反動でこちらの評価が低くなろうが、私には関係ありません。

Amazonというのは、公平に見えて評価が偏りやすいです。誰だって高評価の中に低評価なんて入れづらいし、「このレビューが参考になった」で叩かれたら嫌です。

グレッグ・イーガン『祈りの海』で低評価付けているお二人のレビューとか、『祈りの海』が好きな立場の私すらすっごい同意できるのですが、「このレビューが参考になった」投票では微妙、と。まあこんなものです。

Amazonですらこうなんだから、どこかの巨大掲示板とかポータルサイトの話題が一度偏ったらどうなるかなんてわかりますよね?


そもそも、

『ライトノベル作法研究所』さんより

人気投票で上位に入った作品と、不人気投票で上位に入った作品が被ることが多かったのです。
オリジナリティ論:ライトノベル作法研究所

あなたの作品を10人の人が読んだら、賞賛してくれる人が1人、批判する人が1人、残りの8人が、無言のまま去っていきます。
価値観の違う読者からの酷評にどう対応する?:ライトノベル作法研究所

と、小説研究サイトにもあるように、10%のアンチがいれば必ず10%のファンがいます。10%のファンは単に雰囲気にのまれて書きこまないだけです。

というかドラえもんは国民的アニメだからいろいろな方が見ているわけで、10人、とはいかなくても100人くらいに声かければ1人くらいはわさドラが好きな方がいらっしゃると思いませんか。日本の人口1億2000万人ですから、120万人くらいいる計算になります。それじゃ不満ですか? 私はこれくらいいれば満足です。


つまり、ネットの評判なんて気にする必要ありません。好きなようにやればいいのです。しかし、これは逆にファンがファンの評価を気にする必要もないということで。

鈴忌さんの意見
仮に10%の人間に認められる作品を作れば歴史に名を残せます
人気作品をおもしろいと感じないのは感性が乏しいから?:ライトノベル作法研究所


という意見に私は同意します。つまり、ファンは最大で10%以下ということです。上でも引用したように、ファン1人に対して9人は興味なし、嫌い、なんです。

いくら日本人がドラえもんを知っていても、ドラえもんの原作読んでいるひとなんてそういるわけない。それなのに勝手に「ドラえもんの原作読まれていないなんて失望した」みたいなことを言うのは私は9割の方々に失礼だと思います。

私だって名作や古典と言われるものでも、興味なくて読んでいない作品はいくらでもあります。一生かかっても読めるのは1%以下でしょう。私がこの前言った持ち込みたくない「常識」とはこのことです。


まとめると、あるひとが好きもしくは嫌いと思う気持ちを否定するのは誰にもできない。特に、「この作品が好きなんだ!」という気持ちはあなたの財産ですから、たとえヘンな人がいて否定されたとしても自信持ってください。私は自信持ってます。私は未だにアンチが目立つわさドラ&Remember11と、そもそも名前すら知られていないMy Merry May が大好きです。

……決めました。やっぱり本音出します。アンチに悩むとか、どれだけ贅沢なんですか。日本人のほとんどがなんらかの形で「ドラえもん」を知っているということ自体が既に奇跡の賜物なんですよ。

売れないことがわかっていて、それでもライターが創りたいと思うゲームを創らせた。その結果がもしかしたら会社の倒産なのかもしれない、という My Merry May ファンの私の気持ちはいったいどこに投げつければいいんですか?


あ、最後に。春巻きさんへ。
「リニューアル当時感想を書いていた方、そして今書いている方、ありがとう」

私も含む、のでしょうか? そう解釈します。
どういたしまして。こちらこそ、ありがとう。


自分の好きなものに自信持てない、という方はこちらを。
恋空やセカチューで泣ける人ほど優れている:誰が得するんだよこの書評
「好き」を表明することは、大体どんなときでも大事だと思うこと:不倒城

しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)
しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)
←おすすめ本
アイデンティティを探求しつづけるグレッグ・イーガンの短編集。表題作「しあわせの理由」を読めばわかります。好き嫌いの組み合わせがヒトのアイデンティティを規定することを。そして、好き嫌いが皆同じになったら、どんなに恐ろしいかということを。
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[C7]

はじめまして、春巻きと申します。
このたびはトラックバックを頂きましてありがとうございました。
以前よりこちらのブログは興味深く拝見させて頂いております。

こちらの記事を読ませて頂きまして、本当に、本当にその通りだな、と感じました。
好きなものに対する自信が持てなかったことについて、恥じるばかりです。
とりわけ「アンチに悩むことがどれほど贅沢か」ということについて、自分がいかに本質的なことを見失っていたか、深く反省させられました。これほどの国民的作品だということがどれほど凄いのか、それすらも忘れて勝手に落ち込むとは、なんて身勝手で贅沢なことだったのか、反省してもしきれません……
なにより、不快な思いをさせてしまいまして、本当に申し訳ありませんでした。

私の記事でも述べましたが、その後はほかのファンの方の冷静なご意見を目にしたり、shuiさんと同様に、「自信を持つべき」との旨の言葉をかけて頂いたこともあって、今のわさドラが好きだと言う気持ちをもう少し純粋にとらえることができるようになっているのではないかと思います。何より、実際の放送を見たことで、「今のこのアニメは面白い、好きだ」という気持ちを確かめることができました。

私事で申し訳ありませんが、17日放送分の感想を書いている途中で「リニューアル当時感想を書いていた方」のお話を伺う機会があり、それもきっかけとしてこの5年間を振り返るに至り、あのような記事を書いてしまったという経緯でした。そしてそのことでこうして「今感想を書いている方」からご指摘を頂くことができたということが、個人的にまさしく「あの日の感動を思い出す」ことになったと感じます。(自分がいかに贅沢であったかも含めて)

要領を得ない文章ですみませんでした。
まずは、不快な思いをさせてしまったことについて、本当に申し訳ありませんでした。
そして、今のアニメ「ドラえもん」が好きであるということに自信を持ちます。
このたびは、本当にありがとうございました。
  • 2010-09-27 23:15
  • 春巻き
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  • 編集

[C8]

春巻きさんはじめまして。コメントありがとうございます。しかも長文を書かせることになって申し訳ないです……。

あ、いえいえ。あまりショックをお受けにならないでください。春巻きさんの感想はいつも穏やかな感想で、上から目線がまったくなくてかなり好きなんです。前述の記事も決して不快な印象は受けていません。むしろ和みました。毒入っている言葉は春巻きさんではなく、他の方々にかけた面が強いので、本当にお気になさらないでください。お願いします。でないと私のほうがしぼみます。というかいまの時点で結構しぼんでいます。

そうそう、ファン批判ネタは前から考えていたんです。春巻きさんの記事を読んだ5日後くらいに突然これ使えると閃きまして。決して該当記事を読んだ直後に怒り心頭になって書いたというわけではないことは約束します。その過程で「作品が好き」というネタまで付け加えることでポジティブ寄りの記事をアップでき、私が春巻きさんに感謝しなければならないレベルです。

>そして、今のアニメ「ドラえもん」が好きであるということに自信を持ちます。
そう言っていただけるとうれしいです。「マイメリファン」の私ではなく、「藤子Fファン」の私を嫉妬させるような文章をいつも楽しみにしています。
  • 2010-09-28 00:48
  • shui@管理人
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