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Erde ~ネズの樹の下で~ ネタバレ感想


普通の人間ってなんなのでしょうか? (by エナ)


以下はゲーム Erde ~ネズの樹の下で~ のネタバレを含みます。
ネタバレなしの感想・攻略情報はこちら Erde ~ネズの樹の下で~


非常に惜しい作品です。

・平均寿命25歳
・タウン
・Erde

とすばらしい設定が揃っているのですが、消化できていない。シナリオも微妙。設定を使うのが上手い西川さんも、今作はエナを除き不発です。(ヨーコ・リオウ・エナを担当)

良いところといえば、Q'tronであることでしょうか。特にエンドに露骨に表れています。すべてのエンドにGoodとBadの区別はつきません。(マイメリ流にAとBにすればよかったのに) このグラグラ感はやっぱりQ'tronじゃないとね!

それでは、各シナリオ感想です。

アヤシナリオ
……特になし。キャラもラストに見せ場があるヨーコに軍配。

子どもみたいなケンカで亀裂が入ったふたりですが、5歳くらいのときに親が死ぬ世界なら、もっと精神年齢高いのではないかな。このシナリオに限らず、寿命25歳の世界なのに子どもが私たちの世界と似すぎているような気がします。(Q'tronが得意そうな鬱設定なのに)

あと、タクミさん。現実のアヤに気付かないなんていくらなんでもそれはない。


ヨーコシナリオ
これも特に……。でも、ヨーコのキャラいいね。なんかヨーコってErdeでは異色キャラ。いなくても成立するように見せかけて、いないとErdeじゃない気がする。なぜだ?

ErdeのなかではBadエンドが一番Badっぽいシナリオかな。でも、これも悪くないひとつの選択肢。ほんとQ'tronはBadが良質だ。

そうそう、聞きたくない×10には笑った。


リオウシナリオ
すべてはラストで収束。つまらない中盤は耐えろ!……ここまでの3人、日常パートがつまらないんだよなあ。これは致命的。

ラスト近くはメモオフ1stのあのシナリオの再来か? というか分岐選択肢ひどいでしょう。Badエンド見て普通にGoodだと思った。死んでGoodと見なすとは、私もう終わってる。

Goodではちゃんと寿命まで生きることができたのに、何なのこのやるせなさ。たとえば25歳で死ぬ運命だったひとが50歳で死ぬことと、違うのだろうか。いまの日本なら80歳くらいまでは生きられるから、そういう意味ではリオウよりも悲惨と言えなくはない。でもなんか私はリオウのほうが悲しい。

でも、Erdeの世界で生きているひとは、きっとそうは思わない。Erdeの人々にとっての10年は私たちが感じる10年の2倍以上の感覚だろうから。


ケイシナリオ
設定バレシナリオ、以上の価値がない。ケイ先生のキャラが良いので退屈しないですみましたが、もっとケイ先生の年齢設定いかすべき。もったいない。

プレイしていてケイ先生誰かに似てると思ったらS=Rのコーデル先生でした。もしかして原型かな?

あと、「紙に書いたんだから喋ってない」には吹いた。このひとおもしろすぎ。


エナシナリオ
西川さんだ西川さんだー! 心中で羊の方舟、言葉による構成でウソツキと犬神憑き思い出した。このようなシナリオが西川さん本来の持ち味なのかな。……ゲーム全体としてのテーマがあまり定まっていないのを見るに、Erdeの長井さん原案は割と適当で西川さんメインの作品のような気がする。

言語と認識については結構おもしろいので興味のある方はどうぞ。ソシュールと構造主義あたりのキーワードで調べるといいと思います。

グッドエンドの子作りエンドは……正直???です。

新品交換エンド。私はこれが一番好き。タウンでのタクミはもともとデータ上の存在なので、私はオリジナル=コピーは成立すると思います。でも、やっぱりなんか気持ち悪さを感じる。なんなんだろう、この感じ。同時に二人が存在したからか。このへんはそのうち加筆予定のMaybe感想でやるかも。

「考えること自体が、意味あることなんじゃないか。それが生きるってこと」
いかにも西川さんっぽいな。マイメリでも「わからない」→「いい答えだ」みたいなのがあったし。そもそも、マイメビのテーマが「生きる」か。

心中エンド。たとえ永遠であっても考えることが生きることとするのが新品交換エンドなら、死によって生を意味付けするのが心中エンド。ホント上手いな、エナエンド。

バッドエンドではエナの生に対する無理解が淋しい。でも、異なる存在である以上、理解なんて不可能なんだろう。実際、クイズを間違う理由がわかってなかったし。当たり前だけど。こういうことには西川さん容赦ない。エナシナリオのテーマは、すれちがい?(もともとQは微妙なすれちがいで鬱に追い込むのが上手い)

シナリオ自体の薄さのせいか、あまり突っ込んだ感想書けないのが残念。西川さんまたこういうの書いてくれないかな。


最終シナリオ
なんで無いんだあああああ!!!(by Remember11 優希堂悟)
エナBadを残してクリア、そしてエナBadが2つあると知ったときのショックは表しようがない。

ケイGoodで言われる「Erdeは素晴らしい人達だけが作る素晴らしい世界」
それは、無いよね。所詮人間でしかないんだし。


アキラシナリオ
なんで無(略
エナのパジャマ最高。


P.K.ディックの『ライズ民間警察機構―テレポートされざる者』(1998)と似ているという話がありますが、確かに設定に共通点があります。テレポート装置使ってハッピーらしい星へ移住、ただし一方通行なところが。あと、同じくディック『未来医師』(2010)の平均年齢15歳設定にも似てる。(最初、本の内容紹介で平均寿命15歳になってたんだけど、公式サイトは直ったみたい)

マイメリの電気羊といいQ'tronはディック好きなのだろうか。『未来医師』は翻訳されたのつい最近だから読んでないとは思うけど。

以前の感想記事です →フィリップ・K・ディック 『未来医師』 『ライズ民間警察機構』 感想
ひとつ言えるのは、この2作はおすすめできない。特に『ライズ民間警察機構』 ディックすぎて理解不能。


直後にMaybeが出ましたから、Erdeが多少手抜きになるのもしかたのないこととは思います。なんだかんだいって好きな作品ではあるのですけど……。続編は、無理ですね。出たら買うのに。でもKIDも西川さんもすでにいるべき場所にいない。

タグ: Qtron
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